質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第五三号

新型インフルエンザワクチンの流通等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年二月九日

藤井 基之   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   新型インフルエンザワクチンの流通等に関する質問主意書

 二〇〇九年四月に発生した新型インフルエンザA(H1N1)への対応として、政府はワクチンの国内生産を急ぐとともに、緊急輸入を行うなど、蔓延の防止策を図った。新型インフルエンザA(H1N1)ワクチン(以下「ワクチン」という。)についてはすべて国が買い上げ、ワクチンの販売先、販売数量及び販売価格を指定し、流通を管理し、医療機関への納入も都道府県が卸売販売業者に対して納入数量を提示し、納入を依頼するという方式で行われたと承知している。
 今シーズンにおいても二〇一一年に入りインフルエンザの感染者が急増しており、新型インフルエンザが流行の主流となっている。
 新型インフルエンザ対策の重要な柱となるワクチンの流通は、行政、医療機関のみならず、製造販売業者、卸売販売業者など、すべての関係者の支援により実施されなければならず、可能な限り透明性が確保される必要があると考える。
 そこで、ワクチンの流通等に関して以下質問する。

一 昨シーズンにおいてワクチンはすべて国が買い上げることとし、約一億二千百万回分、金額にして約千百十三億円分のワクチンを購入したと聞いている。買い上げに係る国の予算額と、国はいつ、どの製造販売業者から、どれだけの数量を買い上げたのかを明確に示されたい。

二 昨シーズンにおいてワクチンは国から販社、卸売販売業者を通じて医療機関に約二千三百万回分、金額にして約百十一億円分が供給されたと聞いている。国はいつ、どの販社に対して、どれだけの数量を、いくらで払い出したのかを明確に示されたい。

三 昨シーズン供給されたワクチンの医療機関の在庫については、卸売販売業者、販社の協力の下に、最終的には製造販売業者の負担により、昨年九月に引き上げが行われ、約二百三十九万回分が引き上げられたと聞いている。どの製造販売業者が、どれだけの数量を、いくらで引き上げたのかを明確に示されたい。

四 昨シーズン買い上げられたワクチンについては、昨年末時点で約九千八百万回分、金額にして約千二億円分が国の在庫となっていると聞いている。当該在庫はどこに保管されているのか、在庫に係る経費はどのようになっているのか明確に示されたい。また、国以外の在庫はどのようになっているのか示されたい。

五 昨シーズン買い上げられ、国の在庫となったワクチンのうち、有効期限切れのワクチンが昨年末現在約二千六百万回分あると聞いている。それらはどのように処理されたのか、また、今後どのように処理されるのか、政府の方針を明確に示されたい。

六 今シーズンについては新型インフルエンザのみならず、季節性インフルエンザ対策を目的とした、いわゆる三価ワクチンが供給されていると聞いている。今シーズンにおける当該インフルエンザワクチンの需給状況はどのようになっているのか示されたい。

  右質問する。