質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第四七号

いわゆる高校無償化に伴う私立高等学校の授業料等値上げに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年二月七日

上野 通子   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   いわゆる高校無償化に伴う私立高等学校の授業料等値上げに関する質問主意書

 平成二十二年四月一日から「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」が施行され、いわゆる「高校無償化」が始まった。これを機に、全国の私立高等学校で授業料等の値上げが行われていることについて以下のとおり質問する。

一 本法律による私立高等学校の授業料無償化は、私立高等学校設置者が就学支援金を代理受給し、授業料等から就学支援金額を差し引いた金額を生徒及び保護者から徴収することで実施される。生徒及び保護者は本法律施行前よりも学校設置者に支払う金額が少なくなるが、一方で学校設置者側の授業料等の値上げを招きやすい制度と考えられる。本法律の施行を機に、各地の私立高等学校で授業料及び施設費等の値上げが散見されたが、政府が把握している都道府県ごとの私立高等学校の授業料等の値上げの実態を明らかにされたい。また、生徒及び保護者の教育費負担を軽減するとしたいわゆる「高校無償化」の制度の趣旨に照らして、こうした実態についてどう考えるか、政府の見解を明らかにされたい。

二 政府は、本法律が施行された平成二十二年四月一日、「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律等の施行について(通知)」(二二文科初第一七号)を発し、その中で「授業料額の設定を含め、私立高等学校等の運営については設置者の権限と責任において行われるべきものであるが、今回の制度の導入に伴って合理性のない値上げを行うことは望ましくないこと」としていた。にもかかわらず、こうした授業料等の値上げを惹起していることについて、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。