質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第三八号

自衛隊情報保全隊の監視活動に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年一月三十一日

佐藤 正久   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   自衛隊情報保全隊の監視活動に関する質問主意書

 本年一月二十四日付け「産経新聞」朝刊において、「北沢俊美防衛相直轄の防諜部隊「自衛隊情報保全隊」が、陸上自衛隊OBの佐藤正久自民党参院議員や田母神俊雄元航空幕僚長の講演に潜入し、現職自衛官の参加状況を監視していることが二十三日、分かった」との記事が掲載された。
 自衛隊法で制限されている「政治活動」に抵触しない行動まで規制することは、憲法第十九条において保障されている「思想・良心の自由」を侵害するものであり、極めて憂慮すべき事態であると認識している。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 自衛隊情報保全隊の任務及び情報収集の手段と、その対象範囲について、明らかにされたい。

二 北澤防衛大臣は、本年一月二十五日の記者会見において、「「自衛隊の情報保全隊が、自衛隊OBの佐藤議員、あるいは田母神さんの講演で、自衛官の参加状況を監視していた」という報道がありますけれども、事実関係についてお聞かせください」との質問に対し、「記事で取り上げられている集会や講演会での情報収集を含めて、個別具体的な情報収集の対象については、事柄の性格上申し上げる訳にはいきませんが、敢えて申し上げれば、今回の報道を受け、調査をした結果、佐藤正久参議院議員は情報収集の対象にはなっていないと承知しております」と述べているが、佐藤または他の団体等が主催する複数の会合等において、自衛隊情報保全隊隊員が存在していることは確認されている。
 北澤防衛大臣の「佐藤正久参議院議員は情報収集の対象にはなっていない」との発言が事実であるならば、自衛隊情報保全隊隊員は何の目的で、それら会合に参加しているのか。前記報道にあるように、現職自衛官の参加状況を確認するためか。政府の見解如何。

三 前記報道では、田母神俊雄元航空幕僚長、元陸上自衛隊特殊作戦群長の会合等も監視対象となっているとされている。北澤防衛大臣は会見において「佐藤正久参議院議員は情報収集の対象にはなっていない」と述べているが、佐藤以外の、自衛隊OBの民間人、そして自衛隊OBの国会議員は監視対象となっているのか、明らかにされたい。

四 本年一月二十六日の衆議院本会議における代表質問において、わが党の小池百合子議員が、本件について質したところ、菅内閣総理大臣は事実関係については言及せず、「自衛隊情報保全隊の活動は、外部からの働きかけなどに対して自衛隊の部隊や隊員を保全するため、関係法令に従い、適切な方法で行われるものであると理解しております。このような自衛隊情報保全隊の活動は、思想及び信条の自由を侵すことはないものと認識しております」と答弁した。
 仮に佐藤、田母神氏の会合等が監視対象でないならば、明確に否定すべきであったと考えるが、政府の見解如何。
 また、菅内閣総理大臣の答弁にある「適切な方法」とはどのような方法か、具体的に示されたい。

  右質問する。