質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二〇一号

内閣参質一七六第二〇一号
  平成二十二年十二月十四日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員小熊慎司君提出地方議会の機能強化のための地方自治制度の充実に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小熊慎司君提出地方議会の機能強化のための地方自治制度の充実に関する質問に対する答弁書

一について

 憲法第九十二条にいう地方自治の本旨とは、地方公共団体の運営は原則として住民自身の責任において自らが行うという住民自治の原則と、国から独立した地方公共団体に住民に身近な行政を自主的に処理させるという団体自治の原則を、共に実現するという地方自治の原則をいうものと考えている。
 また、地方税財源の充実確保については、「地域主権戦略大綱」(平成二十二年六月二十二日閣議決定)に基づき、地域に必要なサービスを確実に提供できるよう、地方財政の所要の財源を確保することで、住民生活の安心と安全を守るとともに地方経済を支え、地域の活力を回復させていくとの基本理念に立ち、今後、国と地方の役割分担の大幅な見直しと併せて、それぞれの担う役割に見合った形へと国・地方間の税財源の配分の在り方を見直すこととしている。

二について

 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)は、その制定以来、社会経済情勢の変遷に適応させるため、累次の改正が積み重ねられてきており、「現行の地方自治法では時代に対応して」いないとは認識していない。お尋ねについては、地域主権改革を更に進めるため「地域主権戦略大綱」に基づき、現在、総務省の地方行財政検討会議において、地方自治法の抜本的な見直しを含め、検討を進めているところであり、現時点で地方政府基本法の制定に関し具体的にお答えすることは困難である。

三について

 お尋ねの点については、法律によって定められる地方公共団体の組織及び運営に関する基本的枠組みの中で条例や議会の会議規則に委ねるなど、地方公共団体の自由度を拡大する方向で、地方行財政検討会議において検討を進めており、成案が得られた事項から、順次、地方自治法の改正等によりその実現を図っていくこととしている。
 なお、地方自治法第百二十条は、普通地方公共団体の議会は会議規則を設けなければならないと規定しているが、その内容については、各地方公共団体の議会において自主的に定めることができるものである。
 また、同法第九十条及び第九十一条に定める議員定数については、議会の自由度の拡大の観点から、法定上限の撤廃を内容とする地方自治法の一部を改正する法律案が、既に第百七十四回国会に内閣から提出されているところである。

四について

 現行の地方自治法が地方議会議員の「実態と大きく乖離している」の意味するところが必ずしも明らかではないが、同法については、例えば、平成二十年に議案の審査又は議会の運営に関する協議又は調整を行うための場に関する規定が設けられるなど、地方議会の運営の実態を踏まえつつ、所要の改正が行われてきたと認識している。お尋ねの点については、議会・議員の果たすべき役割を法律上明らかにすること等について、引き続き、地方行財政検討会議において検討することとしている。