質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一九八号

内閣参質一七六第一九八号
  平成二十二年十二月十四日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員小熊慎司君提出待ったなしの少子化対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小熊慎司君提出待ったなしの少子化対策に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、幼保一体化を含む新たな次世代育成支援のための包括的・一元的なシステムの構築について検討を行う場である「子ども・子育て新システム検討会議」の下で開催される「基本制度ワーキングチーム」及び「幼保一体化ワーキングチーム」(以下「ワーキングチーム」という。)に対し、御指摘の「こども園」についての複数案を提示し、ワーキングチームの構成員の方々に、「こども園(仮称)」の具体的な仕組みについて検討いただいているところであり、その検討結果も踏まえ、幼児教育及び保育に係る資格の在り方について検討してまいりたい。

二について

 現在、ワーキングチームにおいて、お尋ねの点を含め、「こども園(仮称)」の具体的な仕組みについて検討いただいているところである。

三について

 お尋ねについては、「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」(平成二十二年六月二十九日少子化社会対策会議決定)において、「事業ごとに所管や制度、財源が様々に分かれている現在の子ども・子育て支援対策を再編成し、幼保一体化を含め、制度・財源・給付について、包括的・一元的な制度を構築する」としていることを踏まえ、現在幼稚園及び保育所に対し行われている財政措置も勘案しつつ、今後、ワーキングチームにおいて検討いただくこととしている。

四について

 厚生労働省としては、事業所内保育施設の設置、運営等を行う事業主に対し、事業所内保育施設設置・運営等助成金により財政支援を行っているところである。また、病院内保育施設の設置、運営等を行う医療機関に対し、医療提供体制推進事業費補助金及び医療提供体制施設整備費交付金により財政支援を行っているところである。
 これらの財政支援により、中小企業における事業所内保育施設の設置及び医療機関における病院内保育施設の設置が進んでいるものと認識しているが、これらの財政支援の今後の在り方については、現在検討を行っている「子ども・子育て新システム」の制度設計の内容により異なってくるものであることから、その検討結果を踏まえて検討していくこととしている。

五について

 厚生労働省においては、中小企業における育児休業の取得促進等を図るため、中小企業の事業主に対し、当該中小企業における育児休業の取得状況に応じて助成金を支給するとともに、育児休業制度の利用者の代替要員を確保した事業主、育児休業制度を利用した労働者が円滑に職場に復帰できるよう支援をした事業主等に対し助成金を支給しているところである。
 また、子育てしやすい勤労環境の実現に係る施策としては、引き続き、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)により、事業主に対し、その導入が義務付けられている三歳未満の子を養育する労働者のための短時間勤務制度(以下単に「短時間勤務制度」という。)について、これを導入するよう、事業主に対する指導の徹底を図るとともに、職業生活と家庭生活との両立支援に取り組む事業主に対し助成金を支給することなどの取組を進めてまいりたい。
 また、子育て世帯の経済的安定に係る施策としては、財源を確保しつつ、平成二十三年度以降について子ども手当の額の引上げを目指しており、平成二十三年度予算の編成過程において、その具体的内容を検討しているところである。
 教育機会の均等の確保に係る施策としては、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給、奨学金の充実などにより、家庭の教育費負担の軽減に努めることとしている。

六について

 厚生労働省としては、短時間正社員制度の導入を推進するため、短時間正社員制度の導入に係るマニュアルを事業主等に配布するなど同制度の普及啓発に努めるとともに、同制度を導入した事業主に対し助成金の交付を行っているところであるが、このような取組により、同制度の導入を推進していくことは、ひいては子育て支援としてのワークシェアリングの普及促進につながるものと考えている。また、子育て支援としてのワークシェアリングの普及促進に資するという観点からは、短時間勤務制度の導入について、事業主に対する指導の徹底を図ってまいりたい。