質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一四三号

内閣参質一七六第一四三号
  平成二十二年十二月十日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員加藤修一君提出サラリーマンの社会保険料負担に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出サラリーマンの社会保険料負担に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「平均的なサラリーマン」の意味するところが明らかではなく、お尋ねの厚生年金保険料等の算定の基礎となる報酬月額、賞与額等が確定できないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

二について

 お尋ねについては、全国健康保険協会について、後期高齢者支援金のうち、総報酬割により算定された部分に係る国庫負担をなくし、医療給付等に係る国庫補助率を十六・四パーセントとするという前提の下、平成二十二年度の後期高齢者支援金等の賦課額を算定する際に用いた数値を基に計算すると、被用者保険に係る後期高齢者支援金の総報酬割の対象割合を三分の一から二分の一とした場合の被保険者一人当たりの被保険者負担分の年間保険料の額は、全国健康保険協会ではほとんど変わらず、健康保険組合では平均で約千円の増、共済組合(私立学校教職員共済制度を含む。以下同じ。)では平均で約二千円の増となる。
 また、被用者保険に係る後期高齢者支援金を全て総報酬割の対象とした場合の被保険者一人当たりの被保険者負担分の年間保険料の額は、全国健康保険協会ではほとんど変わらず、健康保険組合では平均で約三千円の増、共済組合では平均で約八千円の増となる。

三について

 お尋ねの介護保険制度における第二号被保険者(四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者をいう。以下同じ。)の負担額に係る総報酬割の導入については、平成二十二年十一月三十日に取りまとめられた社会保障審議会介護保険部会の「介護保険制度の見直しに関する意見」(以下「意見書」という。)においては、被用者保険間の負担の公平性を図る観点からこれを行う必要があるとの意見と併せ、これに反対する意見についても記されたところであり、同部会としての結論が示されたものではない。
 お尋ねについては、同部会に対して提出した、仮に総報酬割を導入した場合の平成二十四年度から平成二十六年度における一月当たりの第二号被保険者一人当たりの平均負担額の試算結果を基にお答えすると、全国健康保険協会では約百円の減、健康保険組合では平均で約九百円の増、共済組合では平均で約千円の増となる。

四について

 医療保険制度については、厚生労働大臣が主宰する高齢者医療制度改革会議において、後期高齢者医療制度の廃止後の新たな制度について検討を進めているところである。この中で、七十五歳以上の高齢者等に係る医療費の一部について、被用者保険の保険者は総報酬割により負担する仕組みとすることを検討しているが、これは、今後、高齢化に伴う医療費の更なる増大が見込まれる中で、負担の公平性を図ることを目的とするものである。
 介護保険制度における総報酬割については、三についてで述べたとおり、意見書の中で、被用者保険の第二号被保険者の保険料について、被用者保険間の負担の公平性を図る観点から総報酬割を導入する必要があるとの意見と併せて、その導入に反対する意見も出されているところであり、同意見書を踏まえ、今後、検討していくこととしている。