質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一〇七号

内閣参質一七六第一〇七号
  平成二十二年十一月二十六日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員山本博司君提出労働保険特別会計に関する事業仕分けに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本博司君提出労働保険特別会計に関する事業仕分けに関する質問に対する答弁書

一について

 平成二十二年十月に実施した行政刷新会議ワーキンググループによる事業仕分け(以下「事業仕分け第三弾前半」という。)の評価結果は、ジョブ・カード制度の政策目的自体は極めて重要であると認めた上で、現行の関連事業の問題点を指摘されたものと理解している。
 同制度については、今後、当該評価結果の趣旨を踏まえつつ、「新成長戦略」(平成二十二年六月十八日閣議決定)に基づき、より効率的・効果的な枠組みに発展させていく方向で検討してまいりたい。

二及び三について

 事業仕分け第三弾前半においては、無駄の排除の徹底の趣旨で「労災保険の社会復帰促進等事業については原則廃止」と評価されたものと理解している。
 同事業については、被災労働者の社会復帰の促進等に重要な役割を果たしていると認識しており、今後、厚生労働省において、行政刷新会議の指摘も踏まえつつ、被災労働者の社会復帰の促進等に支障が生じることのないよう、関係府省とも協議の上、その取扱いを検討することとしている。

四について

 厚生労働省においては、平成二十三年度予算の概算要求において、雇用保険二事業の実施に係る経費として約八千三百九十一億円を計上しているところである。また、お尋ねの事業数については、PDCAサイクルによる目標管理を行うため、政策目的ごとに百五十二の事業数に整理しているところである。

五について

 雇用保険二事業については、失業等給付の抑制等の観点から、雇用保険制度において重要な役割を果たしていると認識している。
 これらの事業の取扱いについては、今後、厚生労働省において、行政刷新会議の指摘も踏まえつつ、関係府省とも協議の上、検討することとしている。

六について

 平成二十一年十一月に実施した行政刷新会議ワーキンググループによる事業仕分け(以下「事業仕分け第一弾」という。)において御指摘の三事業を「見直し」とした評価結果は、各事業を事業主負担で実施すべきであるとの趣旨で取りまとめられたものであるのに対し、事業仕分け第三弾前半における「雇用勘定に関し、雇用調整助成金以外の必要性の低い雇用保険二事業は、特別会計の事業としては行わない。」との評価結果は、無駄の排除を徹底して行うべきであるとの趣旨で取りまとめられたものであり、事業仕分け第一弾と事業仕分け第三弾前半の評価は観点を異にして行われたものであることから、「まったく政策の一貫性がない」との御指摘は当たらないと考える。

七について

 行政刷新会議は、「行政刷新会議の設置について」(平成二十一年九月十八日閣議決定)に基づき設置され、国の予算、制度その他国の行政全般の在り方の刷新等に関し行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に資するために開催しているものであり、行政刷新会議が取りまとめを行った場合には、政府としての施策は、政府内の調整を経て決定されるものと認識している。
 事業仕分け第三弾前半及び平成二十二年十一月に実施した行政刷新会議ワーキンググループによる事業仕分け(以下「事業仕分け第三弾後半」という。)の対象となった事業については、その評価結果も踏まえて歳出の見直しを行い、平成二十三年度予算編成の過程において、必要な結論を得ることとなるものと考えている。

八について

 事業仕分け第三弾前半の対象となった労働保険特別会計の事業の取扱いについては、今後、厚生労働省において、行政刷新会議の指摘も踏まえつつ、関係府省とも協議の上、検討することとしている。

九について

 「若者自立塾事業」については、事業仕分け第一弾の評価結果を踏まえて廃止したが、ニート等の若者の自立支援、ひいては就職の実現を図ることは重要な課題であると認識しており、平成二十二年度、新たに、緊急人材育成支援事業において「合宿型若者自立プログラム」を設定し、ニート等の若者に対する生活指導、企業実習等の職業訓練を実施しているところである。

十について

 お尋ねの「何らかの処分」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、事業仕分け第三弾後半の評価結果に関する具体的な対応については、行政刷新会議における審議や政府内の調整を経て決定されるものと認識している。