質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第九四号

内閣参質一七六第九四号
  平成二十二年十一月十九日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員浜田和幸君提出「実効支配」の定義及び領海侵犯に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田和幸君提出「実効支配」の定義及び領海侵犯に関する質問に対する答弁書

一について

 実効支配という言葉は様々に使われており、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、一般に、実効性をもって支配していることを意味すると承知している。

二から四までについて

 お尋ねの「我が国の領海に対する侵犯事案」及び「侵犯した船舶を我が国が拿捕」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、海上保安庁が、平成十二年から平成二十二年(同年十月末までに限る。以下同じ。)までの間に、外国公船について、我が国の領海における海洋法に関する国際連合条約(平成八年条約第六号)第十九条に定めるところによる無害通航でない航行を確認した件数及びその船籍ごとの内訳は、平成十六年が二件(うち中国船籍一件、韓国船籍一件)、平成十八年が一件(韓国船籍一件)、平成二十年が十二件(うち中国船籍二件、台湾に登録されている船舶十件)、平成二十一年が一件(米国船籍一件)、その他の年が零件である。また、海上保安庁が、平成十二年から平成二十二年までの間に、外国漁船について、我が国の領海における漁業関係法令違反の容疑で検挙した件数及びその船籍ごとの内訳は、平成十二年が十四件(うち中国船籍十一件、台湾に登録されている船舶三件)、平成十三年が二件(台湾に登録されている船舶二件)、平成十四年が四件(うちロシア船籍二件、台湾に登録されている船舶二件)、平成十五年が四件(うち韓国船籍二件、台湾に登録されている船舶二件)、平成十六年が四件(うちロシア船籍一件、台湾に登録されている船舶一件、パナマ船籍一件、セントビンセント船籍一件)、平成十七年が三件(韓国船籍三件)、平成十八年が二件(うちロシア船籍一件、セントビンセント船籍一件)、平成十九年が四件(うち韓国船籍三件、中国船籍一件)、平成二十年が零件、平成二十一年が一件(台湾に登録されている船舶一件)、平成二十二年が一件(台湾に登録されている船舶一件)である。さらに、海上保安庁が、平成二十年から平成二十二年までの間に、我が国の領海において、外国船舶に対し、領海等における外国船舶の航行に関する法律(平成二十年法律第六十四号)第七条に基づき領海から退去するよう命じた件数及びその船籍の内訳は、平成二十年が一件(カンボジア船籍一件)、平成二十一年が零件、平成二十二年が一件(カンボジア船籍一件)である。
 また、水産庁が、平成十二年から平成二十二年までの間に、外国漁船について、我が国の領海における漁業関係法令違反の容疑で拿捕(船舶を押収し、又は船長その他の乗組員を逮捕することをいう。)した件数及びその船籍の内訳は、平成十二年が一件(中国船籍一件)、平成十四年が二件(中国船籍二件)、平成十六年が一件(韓国船籍一件)、平成十九年が一件(韓国船籍一件)、平成二十年が一件(韓国船籍一件)、その他の年が零件である。
 なお、防衛省においては、平成十六年に、我が国の領海において、中国の潜水艦が海洋法に関する国際連合条約第二十条に違反して潜没航行していたことを確認している。

五について

 お尋ねの「我が国の領海に対する侵犯事案」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、海上保安庁及び水産庁において、平成十二年から平成二十二年までの間に、我が国の領海における漁業関係法令違反の容疑で逮捕した外国人の人数は、平成十二年が十五人、平成十三年が二人、平成十四年が六人、平成十五年が八人、平成十六年が四人、平成十七年が三人、平成十八年が二人、平成十九年が五人、平成二十年が一人、平成二十一年が零人、平成二十二年が一人である。

六について

 お尋ねについては、統計資料がなく、お答えすることは困難である。

七及び八について

 お尋ねの「我が国の漁船等船舶が外国の領海を侵犯していることを理由に外国によって拿捕された事案」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、平成十二年から平成二十二年までの間に、日本船籍を有する漁船等の船舶が外国領海内において違法操業を理由として拿捕された事例として外務省が現時点で認識しているものは、平成二十年にミクロネシアによって拿捕された一件である。