質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四五号

内閣参質一七六第四五号
  平成二十二年十月二十六日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員山田俊男君提出環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加検討に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山田俊男君提出環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加検討に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、世界の成長センターとなっているアジア太平洋地域の諸国等との間で成長と繁栄を共有する環境を整備していく上で、経済連携協定(以下「EPA」という。)や自由貿易協定(FTA)が重要であると考えており、その一環として、環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)協定交渉等への参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の構築を目指している。現在、本年十一月に横浜で開催されるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議までに「包括的経済連携に関する基本方針」を策定するべく関係閣僚等の間で協議を行っており、その過程で、TPP協定交渉への参加についても検討を行っているところである。

二及び三について

 現在行われているTPP協定交渉の内容については、我が国が交渉に参加していないことから、政府としてお答えする立場にはない。

四について

 我が国は、現在、シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、フィリピン、スイス及びベトナムの十か国並びに東南アジア諸国連合との間でEPAを締結しているが、TPP協定の当事国となった場合のこれらの国々等に対する関税措置の扱いについては、TPP協定交渉への参加について現在政府部内において検討を行っている段階であり、お答えすることは差し控えたい。

五について

 我が国がTPP協定交渉に参加するか否かにかかわらず、我が国としては、現在中断している韓国とのEPA交渉の早期再開及び欧州連合とのEPA交渉の早期開始に向けて引き続き努力していく考えである。

六について

 我が国は、世界貿易機関(以下「WTO」という。)ドーハ・ラウンドにおいて、農業、鉱工業、サービス等の各分野における市場アクセスの改善とともに、新たな貿易ルールの策定等に取り組んでいるところである。我が国がTPP協定交渉に参加するか否かにかかわらず、WTOドーハ・ラウンドの早期妥結に向けて、政府一体となって引き続き積極的に取り組む考えである。

七について

 我が国がTPP協定の当事国となった場合の我が国農林水産業への影響の試算については、当該試算の考え方を含め現在政府部内において検討を行っているところである。

八について

 TPP協定交渉への参加について現在政府部内において検討を行っている段階であり、TPP協定交渉への参加を前提とした対策の内容及び予算規模については、お答えすることは差し控えたい。

九について

 農林水産業は、その持続的な営みを通じて、多くの生物に生息・生育環境を提供し、生物多様性の保全に大きな役割を果たしている。このような農林水産業の果たす役割についても考慮しながら、現在政府部内において、TPP協定交渉への参加について検討を行っているところである。