質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二一三号

使用済み核燃料の貯蔵、再処理等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十二月三日

小熊 慎司   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   使用済み核燃料の貯蔵、再処理等に関する質問主意書

 使用済み核燃料の貯蔵、再処理等について以下質問する。
 原子力発電は、我が国の電力の三割を担う重要なエネルギー源であるが、使用済燃料の処理・処分プロセスが確立されておらず、不安定な基盤に立脚している。政府は、平成十七年十月に策定された原子力政策大綱の中で、使用済み核燃料の貯蔵・再処理、プルサーマルを含む核燃料サイクル及びバックエンド対策等の基本方針を定めているが、その取組の実効性について、原子力発電所の地元は不安に思っているのが実情である。このため、以下を質問する。

一 使用済燃料の中間貯蔵は、使用済燃料が発電所内に長期間貯蔵され続けることのないよう、重要な役割を担うものであるが、むつ市において建設中の事業所だけでは、容量が不十分である。政府として、国内の原子力発電所に貯蔵されている全ての使用済燃料を収容するだけの規模の中間貯蔵施設を整備する考えはあるのか。また、その理由についても具体的に示されたい。

二 プルサーマルが開始されたが、MOX燃料の使用済燃料は、発熱量が大きく、安全管理上、一般の使用済燃料とは異なった配慮も必要であると考えるが、これらも他の使用済燃料と同一の中間貯蔵施設に保管する方針なのか。また、その理由についても具体的に示されたい。

三 六ヶ所村の再処理工場の完成・本格稼動が大幅に遅れるなかで、中間貯蔵すべき使用済燃料量は増加したのではないか。そうであれば、それを踏まえた中間貯蔵施設建設計画の見直しが必要ではないか。

四 高レベル放射性廃棄物の最終処分について、未だ最終処分地の選定がなされておらず、最終処分事業の実施が危ぶまれている。政府は、最終処分地の選定を今後、どのように進める方針か、具体的に示されたい。

五 原子力安全条約にも示されているとおり、原子力政策の推進部門と原子力安全等の規制部門は組織的に分離し、独立性を確保する必要があり、他の先進主要国においても、そのような分離が確保された体制となっている。しかし、我が国においては、安全規制を担う原子力安全・保安院と原子力政策を推進する資源エネルギー庁は何れも経済産業省に置かれ、統一的な人事管理の下にある。このような体制を国際水準をみたす体制に改め、規制部門を経済産業省から分離する考えはあるのか。また、その理由についても具体的に示されたい。

  右質問する。