質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一九五号

住宅エコポイントの対象になっている断熱材(グラスウール)の安定供給に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十二月三日

浜田 昌良   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   住宅エコポイントの対象になっている断熱材(グラスウール)の安定供給に関する質問主意書

 政府は、平成二十一年度補正予算において住宅版エコポイント制度を導入し、平成二十二年度補正予算においてエコ住宅の新築における建築着工やエコリフォームの工事着手期間の延長を実施した。住宅エコポイントの申請受付を開始した本年三月より十月末日までの新築、リフォームの住宅エコポイント申請戸数は、二十七万六千八百三十三件におよび、新設住宅着工件数も本年八月より九月までは前年比二ケタの伸びを表すなかで、住宅エコポイントの対象となる建築資材である断熱材(グラスウール)の欠品が地域の工務店や大工さんより訴えられている。
 断熱材大手メーカーも十月下旬には緊急の「納期調整に関するお願い」を発信し、政府も十一月十八日には通知「住宅用断熱材の安定供給への協力依頼について」により断熱材の不足を認識し各業界団体に協力を依頼している。しかし、工務店等では工事の進み具合に応じて支払われる契約金が入らず年末に向けて資金繰りを案ずる声も出始めている。
 以上の点を踏まえ以下のとおり質問する。

一 本年九月頃より品薄状態となった住宅用断熱材(グラスウール)について、実際の需要と生産の現状を政府はどう把握し、どのように対応してきたのか。一部には仮需が発生しているという指摘があるが、その実態如何。

二 政府が本年十一月に通知した協力依頼により、住宅用断熱材(グラスウール)の供給をいつまでに正常化させることを目指しているのか。

三 中小建設事業者への対応として、住宅用断熱材の「供給への配慮」を通知しているが、政府として断熱材業界団体及び流通業者との協力体制をどうすべきと考え、実行しようとしているのか。また、中小建設事業者が住宅用断熱材に関する情報を得るため緊急の相談窓口を設置することが必要であると考えるが、見解如何。

四 住宅に使用される断熱材の種類には、グラスウールの他、ロックウール、硬質ウレタンフォーム、押出発泡ポリスチレンフォーム、ビーズ法ポリスチレンフォーム等がある。現下の状況を受け施工主が工法の変更を検討するにあたり、緊急の講習会などを開催する必要があると思うが、見解如何。

五 断熱材メーカーの海外からの断熱材製品輸入に関し、実際の住宅への使用においてはJISの認証が必要であることから、その認証手続きを迅速に進めるとともに、それまでの間においては、JIS認証が不要な工業用グラスウールに輸入品を充当し、国産品を数多く、中小建設事業者による住宅用に回すなどの対応を業界に強く要請すべきであると考えるが、見解如何。

六 品薄状態による納期遅延に伴う工事代金の遅延損害等が発生する場合、資金面での不安を取り除くため具体的な施策をどのように考えているのか。また、政府からの年末資金繰りに関する民間金融機関への要請において、特に本件の対応に関して言及すべきと考えるが、見解如何。

  右質問する。