質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一七一号

警察の一一〇番通報に対する対応手順に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十二月二日

森 まさこ   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   警察の一一〇番通報に対する対応手順に関する質問主意書

 警察の一一〇番通報に対する対応手順に関して、以下のとおり質問するので、政府として把握しているところ又は政府としての見解を示されたい。

一 警察は、一一〇番通報を受けた警察官が現場に臨場する際、速やかに被疑者を確保して被害者及び一般市民の安全と生命を確保するために、これまでの処理事案に関する情報の蓄積と分析から一定の行動の指針を示しているものと思われるが、いかなる形でこれを示しているのか。

二 平成二十二年十一月四日未明、秋田弁護士会所属の弁護士が自宅に侵入した男に殺害されるという事件が起こった。この事件では機動警察官が臨場した際、被害者はまだ存命しており、機動警察官が被疑者と被害者を誤認して被害者を拘束したところ、被疑者の被害者に対する殺害行為を許す結果となったと報道されているが、この機動警察官の誤認について、警察に落ち度はなかったのか。

三 二の事件では機動警察官が臨場した際、被疑者は屋内にもかかわらず靴を履き、火薬の入ったベストを着用していたのに対し、被害者は室内着で裸足であったとの報道があるが、臨場した機動警察官は、この被疑者と被害者の服装から拘束すべき被疑者を的確に判断できなかったのか。

四 二の事件では、臨場した機動警察官が、状況を誤認して被害者を拘束してしまい、さらに、凶器を持って迫った被疑者をかわしたために、被疑者の被害者殺害を許したとされているが、このときの機動警察官の行動に落ち度はなかったか。また、このように被害者と被疑者の区別が明確でない場合に、臨場した警察官がどのように行動するべきかについて、警察は現場警察官に対しどのような規範を与えているのか。

五 二の事件では臨場した機動警察官が警棒や防護服などの装備を身につけておらず、捜査車両に置いたままであったことが分かっている。これらの装備を身につけていれば凶器を持った被疑者を制圧することができた可能性が高いと思われるが、このときの機動警察官の判断に落ち度はなかったか。また、「主人を殺すと言っている」という通報があったにもかかわらず、機動警察官が装備を着用しなかったのは何故か。このような場合の装備の取扱いについて、警察は現場警察官に対しどのような規範を与えているのか。

  右質問する。