質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一四九号

パラリンピック選手の育成・強化策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十二月一日

横山 信一   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   パラリンピック選手の育成・強化策に関する質問主意書

 障害者基本法は、国及び地方公共団体の責務として「障害者が自主的かつ積極的に(中略)スポーツを行うことができるようにするため、施設、設備その他の諸条件の整備、(中略)スポーツ等に関する活動の助成その他必要な施策を講じなければならない」旨を定めており、我が国においては、その趣旨に則ってこれまで障がい者スポーツの振興が図られてきた。
 近年、障がい者スポーツに対する国民各層の理解と関心は高まりをみせてきている。同時に、障がい者スポーツ大会としては世界最高峰のパラリンピックに多くの日本人が障がいを乗り越えて出場し、優秀な成績を収めていることは、国民に大きな感動を与えている。
 しかし、パラリンピックに対する国の支援をオリンピックと比較してみると、同じ競技スポーツの国際的祭典でありながら、その差は歴然としている。この差は埋めるべきではないか。これに関し、以下質問する。

一 オリンピックとパラリンピックそれぞれについて、選手団の派遣及びメダル獲得に向けた選手強化のための平成二十年度から同二十二年度までの予算額及び同二十三年度概算要求額を示されたい。

二 オリンピックとパラリンピックそれぞれについて、メダル獲得者への報奨金額を示されたい。

三 報奨金を含め両者の予算額に差を設ける理由如何。

四 平成二十二年三月十日の衆議院内閣委員会で仙谷国務大臣は「パラリンピックもスペシャルオリンピックも、どうしても自助努力には限界がある。国や自治体としての支援が必要であり、基金よりは予算をしっかりつけていくことが重要である」旨、答弁している。パラリンピック予算の今後の方針を示されたい。

五 平成二十年六月に日本パラリンピアンズ協会が実施した「パラリンピック選手の競技意識調査」によると、「強化育成の充実や環境整備などの充実」、「遠征費用等の負担が大きい(平均百十万円)」、「練習環境を整えてほしい」等の意見が出されている。また、平成二十二年四月二十三日総理官邸で開かれた「総理大臣記念品贈呈式懇談会」でも選手から「海外遠征費の自己負担や国内の遠征費など相当の自己負担がかかっている」、「練習場所の確保が難しい」等の意見が出されている。これに対し、鳩山総理大臣(当時)の「強化育成環境の充実や遠征費用の負担軽減をしてほしいという声を聞きました。パラリンピック選手全体の強化活動の支援の充実について真剣に考えたいと思います」との発言がツイッターに掲載された。これら「選手の強化育成の充実や環境整備の充実」、「海外・国内遠征費用等の自己負担軽減」、「練習場所の確保・練習環境の整備」についてそれぞれどう取り組むか、今後の方針を示されたい。

六 パラリンピック選手の育成・強化を担う専門の指導者、コーチについてはその多くがボランティアで行われている現状にある。指導者、コーチに対しいかなる支援策を考えているか。

七 パラリンピック選手のナショナル・トレーニング・センター利用について、現在までの検討状況如何。

八 障がい者スポーツをさらに発展させていくため障がい者が広くスポーツに参加できる機会の確保を図っていく必要がある。具体策如何。

  右質問する。