質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六〇号

朝鮮人学校の思想教育と高校授業料無償化等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十月二十五日

佐藤 正久   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   朝鮮人学校の思想教育と高校授業料無償化等に関する質問主意書

 公安調査庁から刊行された「内外情勢の回顧と展望(平成二十二年一月)」では、「朝鮮人学校の思想教育について」として、次のように記述されている。
 「朝鮮人学校では、一律に朝鮮総聯傘下事業体「学友書房」が作成した教科書を用いた朝鮮語での授業を行っている。例えば、高級部生徒用教科書「現代朝鮮歴史」では、北朝鮮の発展ぶりや金正日総書記の「先軍政治」の実績を称賛しているほか、朝鮮総聯の活動成果などを詳しく紹介している。
 朝鮮総聯は、このほか、教職員や初級部四年生以上の生徒をそれぞれ朝鮮総聯の傘下団体である在日本朝鮮人教職員同盟(教職同)や在日本朝鮮青年同盟(朝青)に所属させ、折に触れ金総書記の「偉大性」を紹介する課外活動を行うなどの思想教育を行っている。」
 朝鮮人学校は、教育基本法第六条及び学校教育法第一条に定める「法律に定める学校」には該当せず、また前記のような教育を実施しているにも関わらず、この度の高校授業料無償化において、文部科学省の審査基準案では「具体的な教育内容は判断基準にしない」とされたとのことである。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 今回の無償化実施にあたり、朝鮮人学校で現在実施されている「先軍政治」賞賛や個人崇拝等の教育について、朝鮮人学校に対し是正勧告を行うべきと考えるが、政府の見解如何。

二 文部科学省は、公安調査庁の「朝鮮人学校の思想教育について」の記述を承知した上で、「具体的な教育内容は判断基準にしない」と判断したのか。

三 わが国に居住する外国人を対象とする外国人学校、民族学校等は、一部の韓国学校等を除き専修学校に該当しないと認識しているが、それで間違いないか。

四 文部科学省の審査基準案では、高等学校と同様に無償化の対象とした専修学校高校課程の設置基準を基準としたとされるが、それは事実か。また、朝鮮人学校が専修学校高校課程の設置基準に該当するとした根拠を明らかにされたい。

五 平成二十一年度において、全国の自治体から、朝鮮人学校の初中級学校、高級学校へ支出された補助金額について、政府の把握しているところを明らかにされたい。

  右質問する。