質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三三号

中国産イグサの産地偽装及び密輸入に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十月十四日

石井 みどり   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   中国産イグサの産地偽装及び密輸入に関する質問主意書

 中国産のイグサを原料とした畳が、日本国産と産地が偽装されて出回り、問題となっている。
 畳は、イグサの生産地や畳表の製造地ではなく、最終的に畳を製造した所が商品の生産地として表示される。しかし、このことを考えても、畳の流通量からすると産地を偽装したと疑わしいものがあると考えられる。畳表の日本農林規格(JAS規格)は、畳表の原料となるイグサの産地名を表示することを定めているが、JASマークの取得は事業者の判断に任されている。
 中国産のイグサを否定するものではないが、中国産のイグサを国産と偽装することのないように、施策を講ずるべきであると考える。
 また、種苗法に基づく登録品種であるイグサ「ひのみどり」の生産は、熊本県内に限られているが、中国で生産されたものが日本に輸入され、平成十七年には長崎税関において摘発されている。長年にわたる研究の末に生まれた守られるべき農作物が、日本の監視の行き届かない海外で生産され、日本に輸入されることは看過できない。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 イグサの産地偽装を防止するために、消費者庁はどのように取り組んでいるか。

二 JASマークを取得していない畳表の産地偽装に対し厳正に対応すべきと考えるが、政府の方針を示されたい。

三 国産イグサ「ひのみどり」を守るため、中国との連携を積極的に進めつつ、同国での生産及び同国から輸入をさせない対策をとることが必要と考える。本年四月九日の参議院消費者問題に関する特別委員会における舟山農林水産大臣政務官(当時)の答弁によると、同年三月二十四日の第六回日中次官級定期対話において、中国農業部の危副部長より、「ひのみどり」の栽培については地方政府に調査と早急な対応を取るように命じたとの回答があったとのことだが、その後の進展について、政府の把握しているところを明らかにされたい。また、同答弁によると、中国に対しUPOV条約について新条約への加盟を促したところ、関係部局と調整中であるという回答があったとのことだが、その後の進展について、政府の把握しているところを明らかにされたい。

  右質問する。