質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二八号

「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」における中小企業対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十月十四日

中西 健治   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」における中小企業対策に関する質問主意書

 中小企業が国際競争力を有しつつ活性化していくことは、我が国の経済成長戦略において、極めて重要な事項の一つであると認識しているところである。
 かかる認識の中、本年十月八日に閣議決定された「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」において、具体策の一つとして掲げられている中小企業対策の中の一つ目の項目である「資金繰り支援」に関して、現在実施されている各種支援策においてその運用に懸念があることから、以下のとおり質問する。

一 中小企業の資金繰り支援策として、二〇〇八年十月三十一日より「原材料価格高騰対応等緊急保証制度」(以下「緊急保証制度」という。)が実施され、当初二〇一〇年三月末までの期間であったものを、同年二月には制度の一年間の延長、対象業務の拡大、認定基準の緩和を実施したところである。そこで、緊急保証制度に関して、以下に示した事項につき、把握可能なできるだけ至近の時点での状況を明らかにされたい。

1 保証開始時期ごと、据え置き満了時期ごとの保証額
2 保証開始時期ごと、据え置き満了時期ごとの代位弁済額および代位弁済率
3 管轄省庁ごとの平均代位弁済額および代位弁済率
4 代位弁済額の会計上の処理方法および当初予算との差

二 一九九八年から二〇〇〇年にかけて実施した「特別保証制度」に関して、一の1ないし4で示した事項につき、同期間における数字を明らかにされたい。また、当該数字の比較を踏まえ、現在実施している緊急保証制度をどのように評価するか、政府の見解を明らかにされたい。

三 現在実施している緊急保証制度の契約済み融資に関して、今後想定される年度ごとの保証額の推移につき、明らかにされたい。

四 一ないし三を踏まえ、現在実施している緊急保証制度の今後の代位弁済額および代位弁済率の見通し並びにその評価につき、政府の見解を明らかにされたい。

五 今般閣議決定した「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」に掲げられている中小企業対策の中の一つ目の項目である「資金繰り支援」の項における「日本政策金融公庫等の財政基盤を強化することを通じ」とは具体的にどのようなことを考えているのか、明らかにされたい。

六 今般実施する資金繰り支援について、前記一ないし四を踏まえ、現在実施している緊急保証制度と比して、制度、運用を改善するつもりはあるか。あるのであれば具体的にどのような改善を検討しているのか、明らかにされたい。

七 「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」において、「地域活性化、社会資本整備、中小企業対策等」への国費投入規模は三・一兆円とされているが、そのうち、中小企業対策として計上されている額の総額およびその内訳について明らかにされたい。

八 今般実施する資金繰り支援策が、結果として我が国における産業構造の転換を阻害し、国際競争力向上を遅らせることになるとの意見もあるが、これに対する政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。