質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一八号

特別支援教育の機能強化のあり方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十月八日

浜田 昌良   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   特別支援教育の機能強化のあり方に関する質問主意書

 平成十年度から二十年度にかけて、特別支援学校在籍者数は約三十%増、小中学校の特別支援学級在籍者数は約八十%増、通級指導対象者は倍増と、特別支援教育の対象児童生徒が急増している。
 しかし、滋賀県による調査によれば、通常の学級に在籍する児童生徒で特別な教育的支援を受ける必要があると校内委員会が判断した児童生徒数の比率は、この数年で、小学校では三・九三%から六・五八%、中学校では二・六四%から四・二四%、高等学校では〇・八四%から一・九六%に増加し、未だ増加の程度は収まってはいない。
 中でも、知的障がい、発達障がいやこころの病を抱える児童生徒が急増しており、これらに対応した特別支援教育の機能強化を望む声が教育現場からあげられている。
 そこで、以下質問する。

一 特別支援学級を設置している学校の割合は小学校で六十九・四%、中学校で七十一・七%である。また、通級指導が行える体制を整備している学校の割合は小学校で九・六%、中学校で二・六%にとどまっている。発達障がいなどを抱える児童の遠距離通学の困難性を考慮して、少なくともすべての小学校において特別支援学級又は通級指導が行える体制を整備することを目標とすべきではないか。

二 特に高等学校段階における特別支援教育体制整備の遅れ、現在の養護学校高等部の満杯状況、発達障がいを抱える生徒の急増等を踏まえれば、従来のように、特別支援学校高等部の定員を拡大するだけではなく、普通高校に特別支援教育機能を付置することが必要との教育現場からの声があるが、今後の高等学校段階における特別支援教育機能の強化のあり方について、菅内閣の見解を明らかにされたい。

三 二のような観点から、普通高校を含めた高等学校段階における発達障がい支援教育のモデル事業を推進する「特別支援教育総合推進事業」については教育現場から期待する声が高かったにもかかわらず、政権交代により当該事業の予算が半減され、さらに平成二十三年度概算要求でも十五%も削減されているのは何故か。むしろ、大幅に増額すべきと考えるが、菅内閣の見解を明らかにされたい。

四 文部科学省は、平成二十三年度から八年間かけて教職員を約二万人増員して三十五人学級などに対応する教職員定数改善計画案を本年八月に発表したが、教職員の配置改定にあたっては、単に平均的に三十五人学級を目指すというよりも、特別支援教育の対象者の増加に応じた重点的配置を行うべきではないか。菅内閣の見解を明らかにされたい。

  右質問する。