質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一号

公立小中高校の教室への空調設備の設置に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十月一日

西田 実仁   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   公立小中高校の教室への空調設備の設置に関する質問主意書

 公立小中高校の教室への空調設備の設置に関して、以下のとおり質問する。

一 この夏の猛暑は歴史的であると言われる。しかしながら、それは今年に限ったことではなく、近年、とりわけ気象庁が「猛暑日」を定義した二〇〇七年以降は、真夏の気温が明らかに上昇している。
 そのような中、「暑くて勉強に集中できない。エアコンを是非とも設置してもらいたい。」との要望が各地の保護者や児童、生徒から寄せられている。とりわけ埼玉県は、日本の観測史上一位の最高気温を記録した熊谷市(二〇〇七年、四〇・九℃)を抱えており、その要望は強い。
 一部自治体の公立小中高校ではエアコンが設置されているところもあり、このまま放置していては公立小中高校における学習環境の学校間格差は広がる一方である。
 他方、各自治体の厳しい財政事情から、公立の小中高校への空調設備の設置について、各設置者の主体的な判断を待つばかりでは、こうした学習環境の学校間格差は解消しえない。そこで従来からの国庫補助制度を拡充していくべきと考える。文部科学省ではかつて「三〇万教室冷房化計画」を打ち立ててきた経緯もあるが、ここ数年の夏の気温の上昇に鑑みて、公立の小中高校における空調設備の設置に関してどのような認識であるのか問う。

二 文部科学省は来年度予算の概算要求において、「安全で質の高い学校施設の整備」を掲げ、新型交付金として「学校施設環境改善交付金」を新たに創設するとしている。その交付金では、耐震化・老朽化対策事業等と一体で行う、空調設備の設置をしやすくするための補助制度を拡充すべきである。他方、厳しい財政事情から、「学校環境衛生の基準」における基準温度(「三〇℃以下であることが望ましい」)以上の地域に対しては、重点的に補助率のかさ上げを図るべきと考えるが如何。また、学校の新築や改築を伴わない、空調設備単独の整備の場合についても国庫補助を実施すべきと考えるが如何。

  右質問する。