第175回国会(臨時会)
質問第二六号 口蹄疫対策と被害地経済の復興に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十二年八月六日 秋野 公造
参議院議長 西岡 武夫 殿 口蹄疫対策と被害地経済の復興に関する質問主意書 宮崎県において発生した家畜伝染病・口蹄疫は、二十九万頭もの牛や豚が殺処分されるという、かつてない甚大な被害をもたらした。口蹄疫問題については、本年七月二十七日に「移動制限」が解除されたことにより「非常事態宣言」も解除され、八月末の「終息宣言」に向けて解決への道筋がみえてはいるものの、宮崎県の主力産業である畜産産業及び地域経済の再生は、これからが正念場を迎える。よって、口蹄疫被害地の復興に向けた支援・施策について、以下質問する。 一 地域復興への基金の創設について 衆参両院で全会一致をもって可決・成立し、六月四日に施行された口蹄疫対策特別措置法の第二十三条には「基金の設置その他の必要な措置を講ずる」と明記されているが、同法施行後二か月が経過しているにもかかわらず未だに基金が設置されていない。 「国民の生活が第一」を標榜する現政権においては、口蹄疫による甚大な被害を受けた地域の復興への取り組みは喫緊の課題であり、そのためにも地域復興への基金の創設が不可欠であると考えるが、その基金の創設が遅れている理由について、政府の見解を示されたい。 また、基金創設の期限について、政府の見解を示されたい。 二 畜産農家に対する経営・生活再建支援について 畜産農家に対する経営や生活の再建支援は、口蹄疫対策特別措置法に盛り込まれているが、これまでの国の関与について明らかにされたい。また、今後の具体的な再建支援策の検討状況と、その支援策を策定する上で、専門家や宮崎県の意見をどのように収集しているのかについて明らかにされたい。 三 地域経済の再建について 口蹄疫の発生によって、宮崎県内の商店街や飲食店、ホテルなどは風評被害を受けた。被害を受けた地域の経済の再建について、今後の具体的な再建支援策の検討状況を明らかにされたい。また、その再建支援策を策定する上で、専門家や宮崎県の意見をどのように収集しているのかについて明らかにされたい。 四 畜産農家への心のケアについて 口蹄疫発生当初から畜産農家は、家族同然の牛や豚の殺処分に伴う精神的ダメージを受けており、心身ともに極限状態に陥っている。「畜産王国」復活による地域再建を図るためには、畜産農家への心のケアにも取り組む必要がある。 被害を受けた畜産農家の精神的ケア等の対応についての必要性をどのように考えているのか、政府の見解を示されたい。 五 口蹄疫の再発防止対策について 国内全体での口蹄疫の再発を阻止するために、口蹄疫ウイルスが含まれている家畜の敷きわら、糞尿の処理は急務の課題であると考えるが、その処理に対する国の関与について、明らかにされたい。 また、今回の経過を踏まえて、感染ルートの特定に関する検討状況について明らかにされたい。 さらに、中国や台湾等の口蹄疫が発生している国に対する空港検疫の強化に関する必要性をどのように考えているのか、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |