質問主意書

第175回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二〇号

「元気な大阪・関西」「アジアに強い大阪・関西」の構築のための観光産業振興に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年八月四日

石川 博崇   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   「元気な大阪・関西」「アジアに強い大阪・関西」の構築のための観光産業振興に関する質問主意書

 「元気な大阪・関西」「アジアに強い大阪・関西」を構築するための大きな柱の一つが観光産業振興の促進にあると考える。アジアからの観光客誘致に官民一体となって取り組むためには、その環境整備が緊急課題である。現在、中国で開催されている上海万博において国内都市で唯一パビリオンを出展している大阪館は、連日多くの入場者が押し寄せ人気スポットとなっているのをはじめ、大阪・関西を訪れる中国人観光客が増加しているなど、大阪・関西への中国人の関心が高まっている。そこで、大阪・関西の観光産業振興のための環境整備について、以下、質問する。

一 日本政府は本年七月一日から中国人に対する個人観光ビザの発給要件を緩和し、対象を中間所得層まで広げたことにより、同ビザを取得できる世帯は従来の約十倍に増加した。これにより我が国を訪れる中国人観光客の一段の増加が期待できる。一方、韓国でも八月一日から中国人に対するビザの発給要件の大幅な緩和を実施しており、日韓で中国人観光客の誘致合戦の様相になっている。日本政府としても今後、ダブルビザ、マルチビザの発給や有効期間の延長など、ビザ発給要件の一層の緩和を行うべきと考えるが、政府の見解如何。

二 医療観光は世界的に拡大する傾向にあり、二〇一二年にはその市場規模が一千億ドルに達すると予測されるなど、今後も大きく成長が見込まれる。特にアジア地域は主要な受け入れ地域として世界中から医療観光客を集めている。我が国でも「医療ツーリズム」拡大に向けた政府の取組や支援が必要であると考えるが、見解如何。

三 関西国際空港は我が国初の完全二十四時間空港であり、アジアのゲートウェイとして、また観光客誘致を図るためにも、アジア主要都市と関西国際空港とを結ぶ直行便の増大が不可欠と考える。関西国際空港は現在、中国の十七都市と結ばれており、また関西国際空港と上海間は週七十便が運航されており、国内最大である。しかしながら先般の中国人に対する観光ビザの発給要件の緩和により、今後中国人観光客の急速な増加が見込まれているところであり、一層の増便が求められる。そのためにも日中間の航空協定の改定により輸送力の制限を撤廃する必要があると考えるが、中国を含むアジア諸国との航空自由化(オープンスカイ)協定締結の見通し如何。

  右質問する。