質問主意書

第175回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五号

金賢姫・元工作員の来日に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年七月三十日

佐藤 正久   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   金賢姫・元工作員の来日に関する質問主意書

 本年七月二十日から二十三日まで、大韓航空機爆破事件の実行犯である金賢姫・元工作員が来日し、拉致被害者家族との面会等を行った。今回の来日が、拉致問題解決に向けた前進の一歩となることを期待するものであるが、今回の金・元工作員来日では、チャーター機の利用や、ヘリコプターでの東京上空の遊覧等に、数千万円にのぼる国税が費やされたとされている。
 また、金・元工作員は韓国では恩赦されているが、大韓航空機爆破事件の際、日本人の旅券を使用した旅券法違反の容疑者であり、公訴時効が成立していない金・元工作員のこの度の「招聘」は、入管難民法に照らした場合、超法規的措置であると考える。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 今回の金・元工作員の来日の成果及びその評価を詳らかにされたい。
 また、本年七月二十六日、中井拉致問題担当大臣が首相官邸において、金・元工作員の日本招請について菅総理大臣に報告を行った際、「何ら成果のなかったことの報告に来た」と記者団に発言したとされるが、その発言の意図について明らかにされたい。

二 今回の金・元工作員の来日に費やされた経費について、項目毎に明らかにされたい。

三 今回、拉致被害者家族である飯塚さん親子との面会が、鳩山前総理大臣の軽井沢の別荘で行われたと承知しているが、この別荘が使用された経緯について明らかにされたい。また、警備上の観点から、陸路で軽井沢へ向かう今回の対応は妥当性に欠けると考えるが、政府の見解如何。

四 公訴時効が成立していない旅券法違反容疑について、金・元工作員に対する取り調べは行われたのか。行われていないとすれば、わが国司法制度の瑕疵となると考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。