質問主意書

第174回国会(常会)

答弁書


答弁書第一一五号

内閣参質一七四第一一五号
  平成二十二年六月二十九日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員小池晃君提出社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院の存続に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小池晃君提出社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院の存続に関する質問に対する答弁書

一について

 第百七十三回臨時国会に提出した独立行政法人地域医療機能推進機構法案(以下「法案」という。)は、第百七十四回通常国会で審議未了により廃案となったところであるが、法案が成立していた場合には、法案により設立することとされていた独立行政法人地域医療機能推進機構(以下「機構」という。)は、現在、社会保険病院、厚生年金病院及び船員保険病院の運営を委託されている特例民法法人等(以下「委託先法人」という。)の職員のうち、機構での勤務を希望する者を採用する際には、委託先法人において正規職員であるか非正規職員であるかを問わず、府省庁が国家公務員出身の職員の再就職を働きかけることはなく、機構において選考を行った上で、採用することとなると考えていたところである。
 なお、法案と同趣旨の法律案を、今後召集される臨時国会に提出するべく現在検討を行っているところである。

二について

 平成二十一年七月二十七日に総務省が公表した「独立行政法人の役職員の給与等の水準(平成二十年度)」における平成二十年度の独立行政法人の職員の給与水準の対国家公務員指数は、年齢勘案で、事務・技術職員で百七・〇、研究職員で百・八、病院医師で百十六・八、病院看護師で九十五・六である。

三及び四について

 法案が成立していた場合には、機構からの委託先法人に対する病院の運営委託が終了する際に委託先法人の職員が委託先法人からの退職と同時に機構に採用される場合の当該職員の退職金及びお尋ねの厚生年金基金の取扱いについて、機構における職員の退職金や企業年金等の取扱いを検討する中で、関係者で話し合いが行われることとなると考えていたところである。
 なお、一についてで述べたとおり、法案と同趣旨の法律案を、今後召集される臨時国会に提出するべく現在検討を行っているところである。

五について

 お尋ねの健康保険組合の保険料の負担割合については、社団法人全国社会保険協会連合会は保険料により整備された病院、介護老人保健施設等を無償で使用していることにかんがみ、国家公務員に対する取扱いと同様に労使折半で保険料を負担することが適切であり、平成二十二年五月二十四日に、事業主として保険料を負担している当該法人に、当該健康保険組合に対して保険料の負担割合の見直しを働きかけるよう要請したところである。

六について

 法案においては、機構が病院等の運営を自ら行えるようになるまでには、委託先法人ごとに異なる労働条件の統一、機構の組織、人事、会計等の統一的な制度の確立等の準備期間が必要であることから、平成二十五年三月三十一日まで機構は病院等の運営を委託することができることとしていたものである。

七について

 法案が成立していた場合には、委託先法人に病院の運営を委託している間においても、各病院を取り巻く地域医療の状況や医師確保の現状を踏まえつつ、機構又は独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(以下「機構等」という。)と委託先法人とが連携しながら、各病院において地域医療の確保を図るための取組がなされることが重要と考え、国としても、必要に応じ、そのような取組に対して機構等に対する要請その他の適切な措置を講じることとなると考えていたところである。
 なお、一についてで述べたとおり、法案と同趣旨の法律案を、今後召集される臨時国会に提出するべく現在検討を行っているところである。

八について

 法案が成立していた場合には、委託先法人に病院の運営を委託している間における病院の施設整備については、まずは委託先法人において、安定的な病院運営の下で地域に必要な医療を提供するという観点から、地域における医療需要、病院の将来的な収益の見通し、資金手当等を踏まえて検討されるべきものであり、国としても機構等と必要な協議を行う等の適切な対応を図ることとなると考えていたところである。
 なお、一についてで述べたとおり、法案と同趣旨の法律案を、今後召集される臨時国会に提出するべく現在検討を行っているところである。