質問主意書

第174回国会(常会)

答弁書


答弁書第七七号

内閣参質一七四第七七号
  平成二十二年六月四日
内閣総理大臣 鳩 山 由 紀 夫   


       参議院議長 江 田 五 月 殿

参議院議員山谷えり子君提出永住外国人への地方参政権付与に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山谷えり子君提出永住外国人への地方参政権付与に関する質問に対する答弁書

一について

 憲法第十五条第一項及び第九十三条第二項の規定の趣旨については、最高裁判所平成七年二月二十八日判決において、「憲法一五条一項にいう公務員を選定罷免する権利の保障が我が国に在留する外国人に対しても及ぶものと解すべきか否かについて考えると、憲法の右規定は、国民主権の原理に基づき、公務員の終局的任免権が国民に存することを表明したものにほかならないところ、主権が「日本国民」に存するものとする憲法前文及び一条の規定に照らせば、憲法の国民主権の原理における国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである。そうとすれば、公務員を選定罷免する権利を保障した憲法一五条一項の規定は、権利の性質上日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばないものと解するのが相当である。そして、地方自治について定める憲法第八章は、九三条二項において、地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が直接これを選挙するものと規定しているのであるが、前記の国民主権の原理及びこれに基づく憲法一五条一項の規定の趣旨に鑑み、地方公共団体が我が国の統治機構の不可欠の要素を成すものであることをも併せ考えると、憲法九三条二項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、右規定は、我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない」と判示されており、政府も同様に考えているところである。

二から四までについて

 永住外国人への地方参政権の付与の問題については、我が国の制度の根幹にかかわる重要な問題であることから、我が国の国境付近に位置している対馬市や与那国町においては地理的な環境から住民に不安を与えるとの認識があるなど、地方公共団体においても多くの意見があることは政府としても十分に理解しており、こうした関係各方面の意見も十分に踏まえつつ対応する必要がある。