質問主意書

第174回国会(常会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質一七四第一号
  平成二十二年一月二十六日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員浜田昌良君提出米国の核態勢見直しに対する我が国の対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田昌良君提出米国の核態勢見直しに対する我が国の対応に関する質問に対する答弁書

一について

 日米両国間では普段から日米の安全保障及び防衛協力に関連する様々な事項について緊密かつ幅広く意見交換が行われており、その中で、米国側からの要望に応じ、外交ルートを通じて、当時の外務大臣の了解を得た我が国政府の考え方を米国議会戦略態勢委員会に説明したと承知している。外交上の個別のやり取りの詳細を明らかにすることは差し控えたいが、我が国の基本的な考え方として、国際社会には、核戦力を含む大規模な軍事力が存在し、また、核兵器を始めとする大量破壊兵器等の拡散といった危険が増大するなど、引き続き不透明・不確実な要素が存在する中で、我が国としては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号。以下「日米安保条約」という。)を堅持し、その抑止力の下で自国の安全を確保する必要があると考えていることなどについて説明したと承知している。

二について

 米国の核を含む抑止力は、我が国の安全を確保する上で、極めて重要な役割を果たしていると考えている。そのような中で、我が国としては、長期的課題である核兵器のない世界の実現及びその過程において核兵器保有国の国家安全保障政策における核兵器の役割を低減させることの重要性を認識しつつ、同時に我が国の安全保障及び国際的な安全保障を損なうことはあってはならないと考えている。このような観点に立ちつつ、米国とも協力しながら、核軍縮・不拡散を主導する外交を展開していく。

三及び四について

 我が国としては、日米安保条約を堅持し、その抑止力の下で自国の安全を確保する必要があると考えており、米国が保有する核戦力と通常戦力の総和としての軍事力が、我が国に対する核兵器によるものを含む攻撃を抑止するものと考えている。
 我が国としては、御指摘の国際委員会の報告書を評価しており、「唯一の目的宣言」を含む提案を行っている本件報告書を参考としつつ新たな核軍縮・不拡散に関する政策提言を構築したいと考えている。
 いずれにせよ、我が国としては、我が国の安全保障及び国際的な安全保障を損なうことなく、長期的課題である核兵器のない世界の実現を目指していきたいと考えている。