質問主意書

第174回国会(常会)

質問主意書


質問第九九号

竹島問題に関する第三回質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年六月十一日

亀井 亜紀子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   竹島問題に関する第三回質問主意書

 「竹島問題に関する再質問に対する答弁書」(内閣参質一七四第一四号、平成二十二年二月十二日閣議決定。以下「前回答弁書」という。)を踏まえ、以下質問する。

一 「我が国固有の領土」である竹島に、韓国は「海洋科学基地建設」や「ヘリポート改修」などの計画を着実に進めている。これを「不法占拠」と言わずに、何をもって不法というのか。「竹島問題に関する再質問主意書」(第一七四回国会質問第一四号、平成二十二年二月四日。以下「前回質問主意書」という。)提出の後、韓国側では二〇一〇年三月十七日韓国放送公社が竹島で携帯端末向け地上デジタル放送を開始し、明らかに「実行支配」の既成事実化を進めている。それでも政府は前回答弁書において「不法占拠」とはせず、韓国側の行為を傍観しながら「現実に我が国が施政を行い得ない状態にある」としたのは何故か。

二 二〇一〇年六月八日、韓国の報道において「台湾政府が「竹島」「日本海」とともに「独島」「東海」という名称を教科書に併記することを決め、台北駐在の韓国代表部が台湾の教育部に直属する教科書編纂機構である国立編訳館と台湾内の主要出版社に「独島」と「東海」を併記するよう要請してきたことを明らかにした」と報じられた。この報道が事実であるとすれば、「我が国固有の領土」である竹島について、韓国政府が「実行支配」の既成事実化を国際社会に認めさせようとする働きかけであり、看過できない行為であると考えるが、日本政府の見解は如何か。また、韓国政府及び国際社会に対し、今後どのように対応するのか。

三 一方で、日本政府は外交青書に「竹島」を「我が国固有の領土」と明記するとともに、「竹島」を明記した小学校教科書を検定合格させた。これに対し、二〇一〇年四月二十三日の韓国の報道によれば、韓国国会内に「独島領土守護対策特別委員会」という委員会を設置し、二〇一〇年末まで活動するとしているが、このことを日本政府は承知しているか。また、我が国においても衆参両院に領土問題を議論する特別委員会の設置が必要と考えるが、政府としての見解は如何か。

四 二〇〇八年九月二十五日、韓国の慶尚北道は、「国務総理室傘下の独島領土管理対策団は、韓国政府各部署が建議する事業に一八七億ウォンを投資し体系的な独島管理に出ることとなった。こうした動きは二〇一三年以後まで継続され、全体の事業予算規模は二十八事業に一兆二八三億ウォン」と発表した。この事業には、前回質問主意書でも触れた「海洋科学基地建設」が含まれ、現在、事業化が進められている。これは韓国政府が竹島に排他的経済水域の基点を置こうとしているためで、慶尚北道では政府支援を受け、鬱陵島と竹島を一体化した事業案をまとめている。これに対し、日本政府としては竹島と隠岐諸島を「特定離島」に指定する考えはあるか。

五 竹島をはじめとする領土問題と密接な関わりがあるのが、外国人地方参政権付与の議論である。二〇一〇年四月十七日現在、三五県議会、二三四市町村議会、五五一自治体首長、三四一一地方議会議員が反対署名や反対決議を行っている。また、一部の州で外国人地方参政権を認めている、移民国家米国では、外国人に対する地方参政権付与は市民権と同等として厳格な審査を行っている。我が国においては、韓国との竹島問題及びロシアとの北方領土問題をかかえる現在、この領土問題の解決なくして外国人地方参政権付与は認められないと考えるが、政府の見解は如何か。さらに、現在の日本の選挙制度は国政と地方政治が密接な関係を有しており、地方参政権は憲法の規定からも日本国民に認められるべき権利であることから、外国人への地方参政権の付与にあたっては、当該外国人が帰化をし、日本国民として忠誠を誓える人物であることが最大の要件であると考えるが、帰化要件の厳格化もしくは寛容化について政府の見解は如何か。

  右質問する。