質問主意書

第174回国会(常会)

質問主意書


質問第八八号

日米安全保障協議委員会による共同声明における「緑の同盟」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年六月四日

佐藤 正久   


       参議院議長 江田 五月 殿



   日米安全保障協議委員会による共同声明における「緑の同盟」に関する質問主意書

 本年五月二十八日に発表された日米安全保障協議委員会による共同声明には、「環境保全に対する共有された責任の観点から、閣僚は、日米両国が我々の基地及び環境に対して、「緑の同盟」のアプローチをとる可能性について議論するように事務当局に指示した。「緑の同盟」に関する日米の協力により、日本国内及びグアムにおいて整備中の米国の基地に再生可能エネルギーの技術を導入する方法を、在日米軍駐留経費負担(HNS)の一構成要素とすることを含め、検討することになる。」と記載されている。
 日米両国が、環境保全に対する責任を共有することは極めて重要であり、その思想については歓迎すべきと考えるが、両国政府は「第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」を締結し、既に、わが国は在沖米海兵隊司令部機能のグアム移転関連経費として、グアムにおける施設及び基盤整備のため、平成二十一年度に約三百五十三億円、同二十二年度は四百七十九億円を予算計上していると承知している。
 前記共同声明における「在日米軍駐留経費負担(HNS)の一構成要素とすることを含め、検討」との記述によれば、これは在日米軍駐留経費負担いわゆる「思いやり予算」の新たな支出により、国内及び米国の米軍基地の環境対策を行うことと認識せざるを得ない。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 「緑の同盟」とは、如何なる分野でどのような取り組みを行うものか、具体的に明らかにされたい。

二 在日米軍駐留経費負担の趣旨に鑑みた場合、国外の米軍施設の環境対策に当該経費を支出することが適切であるのか、政府の見解如何。

三 鳩山政権の外務副大臣である武正公一衆議院議員は平成二十年四月二日の衆議院外務委員会において、在日米軍駐留経費負担に係る新たな特別協定について審議された際、民主党・無所属クラブを代表して、「必要な経費負担のあり方について、明確な支出根拠に基づき行う原則を確立すべき」との反対討論を行っている。
 政権与党の中枢にある外務副大臣の当時の発言と「緑の同盟」構想との間には乖離があると考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。