質問主意書

第174回国会(常会)

質問主意書


質問第五〇号

子ども手当の外国人に対する支給に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年三月二十六日

松下 新平   


       参議院議長 江田 五月 殿



   子ども手当の外国人に対する支給に関する質問主意書

 平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律(以下「子ども手当法」という。)によれば、国籍のいかんを問わず、子ども手当法に規定する支給要件に該当する場合には、日本国内に住所を有する外国人に対しても子ども手当が支給されるものと承知している。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 外国人に対して支給されるのは、どのような要件を満たすときか。すなわち、父母等の「日本国内に住所を有する」とはどのような場合が該当するのか、子どもの住所が日本国内か国外かで違いはあるのか、実子か養子かで違いはあるのか等、類型を区分して詳細に説明されたい。

二 現在、児童手当の支給を受けている外国人は何人いるのか、また、その支給総額は幾らか、直近の具体的数字を示されたい。そして、子ども手当が支給されることとなった場合、外国人の支給対象人数及び支給総額はそれぞれどのくらい増加すると見込まれているのか、具体的数字を示されたい。

三 現在、児童手当の支給を受けている外国人のうち、日本国外に居住している児童に係る児童手当の支給対象人数及び支給総額は幾らか、直近の具体的数字を示されたい。そして、子ども手当が支給されることとなった場合、日本国外に居住している子どもに係る支給対象人数及び支給総額はそれぞれどのくらい増加すると見込まれているのか、具体的数字を示されたい。

四 外国人に対する支給状況を把握していない場合、平成二十二年度予算における給付費総額二兆二千五百五十四億円の積算はどのように行ったのか、積算根拠を示されたい。併せて、平成二十二年度予算において、支給対象外国人のうち日本国外に居住している子どもに係る子ども手当の支給対象人数及び支給総額の見込みは幾らか、具体的数字を示されたい。

五 外国人に対する支給について、まずは実態把握をすべきであると考えるが、実態調査を行う予定はあるのか、ある場合、いつ行うのか、政府の方針を明らかにされたい。

六 地方公共団体の受給資格認定に係る事務について、外国人の子どもが日本国外にいることの明確な証明を当該国から正確に入手することができるのか、外国語による申請書類の真贋を見分けることができるのか、外国人本人の責任で行った日本語訳の申請書類の真贋を見分けることができるのか、政府の見解を示されたい。また、子ども手当法の規定では、外国人の受給資格認定に係る地方公共団体の負担が増大すると予想されるが、政府の見解を示されたい。

七 子ども手当法の第一条には、趣旨として「次代の社会を担う子どもの健やかな育ちを支援するため」とある。外国に居住する外国籍の子どもに対する支給は、この趣旨に合致していると考えているのか、政府の見解を示されたい。

八 諸外国の子ども手当関連制度について、子どもの居住要件を課している例を示されたい。また、自国の子どもが国外にいる場合の取扱いについて、諸外国の子ども手当関連制度の例を示されたい。

九 一般論として、外国籍の子どもに居住要件を課しながら日本国籍の子どもについてのみ居住要件を課さないことは、難民の地位に関する条約等への加入の経緯等から、法制上可能か否か、政府の見解を示されたい。

十 外国人に対する支給はどうあるべきで、どのような制度設計が望ましいと考えているのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。