質問主意書

第174回国会(常会)

質問主意書


質問第四〇号

労働組合等の政治活動に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年三月十一日

荒井 広幸   


       参議院議長 江田 五月 殿



   労働組合等の政治活動に関する質問主意書

 第四十五回衆議院議員総選挙に関連して、労働組合の必要性をよく理解するものの北海道教職員組合が違法な政治資金を提供して政治資金規正法違反に問われた事件は、誠に遺憾である。
 教職員組合などの労働組合は、「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的」(労働組合法第二条)としている。組合員が納める組合費は、本来、この目的を達成し、当該労働組合を構成する組合員に還元される形での支出が行われなければならない。
 しかし、労働組合の中には、不明朗な会計処理を行い、あるいは組合費として徴収した巨額の資金を組合員が意図していない政治献金等の目的のために支出するなどといったことを行っているところもあると言われている。
 こうした中、民主党議員のうち鳩山内閣の閣僚の中には、労働組合から財政的にも人的にも支援を受けている者がいる。労働組合の不透明な会計処理によって捻出された資金が、閣僚である国会議員の選挙経費として支出されることは、政治とカネの問題に対する国民の不信を招き、政治そのものに対する信頼を喪失しかねない。
 民主党は、以前より自民党の業界依存体質による「政治とカネ」の問題を強く批判してきた。しかし、政権交代が起こり政府与党となった民主党の労組依存体質が明らかになった。これにより、政策がゆがむことのないよう、あるいはこうした不当な支援が行われないように鳩山内閣は労組との毅然とした関係をつくらなければならない。
 それにはまず、透明性を主張する民主党及び連立各党は自ら、労働組合等と政治との関係を明らかにする責任がある。以下(なお、平成二十一年十一月六日参議院予算委員会で理事会協議となり未だ回答がなかった分を含む)質問するので、政府の把握しているところを示されたい。

一 労使間で締結されるユニオン・ショップ及びチェック・オフが組合員になろうとする者及び組合員である者に対して強制性があることについて、また、両制度が組合活動に与える影響について、政府はいかに認識しているか示されたい。

二 労働組合の会計処理の実態について、政府としての把握の状況を示されたい。

三 労働組合の会計処理に関する実態調査を行う必要性について、政府の見解を示されたい。

四 労働組合の会計について、一層の透明化のため会計基準等のルール整備を図る必要があると考えるが、政府の見解を問う。

五 労働組合が設立している政治団体の数を示した上で、それぞれの名称を列挙されたい。

六 労働組合が設立している政治団体について、当該労働組合と当該政治団体との関係を明示されたい。

七 鳩山内閣の閣僚等政務三役が受けている労働組合からの政治献金について、過去五年間に政治献金を行った団体名及び各団体からの政治献金の額を、閣僚等政務三役ごとに明らかにされたい。

八 過去五年以内に行われた衆議院議員総選挙及び参議院議員通常選挙において、連合・産業別労組(県及び支部単位を含む)等を含む労働組合から推薦等を受けた鳩山内閣の閣僚等政務三役の氏名及び当該推薦等を行った労働組合の組合名を対応させて公表されたい。

九 また、七につき、労働組合の専従職員が、各候補者の選挙対策本部のスタッフとして活動した実績を示されたい。

十 いわゆる「組織内議員」及び「組織内候補者」並びに「準組織内議員」及び「準組織内候補者」の意味について、政府の見解を示されたい。

十一 鳩山内閣の閣僚等政務三役の中で、いわゆる「組織内議員」又は「準組織内議員」に該当する者の氏名を明らかにされたい。

十二 十一で示した「組織内議員」が労働組合から報酬を受けているか否か、また、報酬を受けていればその金額を示されたい。

十三 労働組合がつくる政策勉強会(例えば私鉄総連なら「私鉄交通政策議員懇談会」)には、どのようなものがあり、その目的や会費はどうなっているのか。また、鳩山内閣の閣僚等政務三役が所属する政策勉強会があれば、その名称を明らかにされたい。

  右質問する。