質問主意書

第174回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

鳩山総理とクリントン米国務長官とのミスコミュニケーションに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年一月十八日

浜田 昌良   


       参議院議長 江田 五月 殿



   鳩山総理とクリントン米国務長官とのミスコミュニケーションに関する質問主意書

 昨年十二月十七日のコペンハーゲンでの晩餐会において鳩山総理はクリントン米国務長官に、「沖縄県民の期待が高まっている。日米合意は重いが、強行すると結果はどうなるか大変危険だ。選択を考えているので、しばらく待っていてほしい」と要請し、これに対しクリントン長官は「よく分かった」と答えたと、鳩山総理は同行記者団に説明したと報道されている。しかし、米国に帰国したクリントン長官は、同月二十一日、藤崎駐米大使を国務省に緊急に招請し、日米合意に基づき米軍普天間基地の辺野古への移設計画を早期に実施するように求め、また、「クリントン長官に十分に理解いただいた」と鳩山総理が説明したことが明らかに事実ではなかったという報道が米国においてもなされている(平成二十一年十二月二十九日付けワシントンポスト)。日本国総理と米国国務長官との間においてこのような重大なミスコミュニケーションがあったことを受け、日本国民の多くは日米外交の今後に危惧を覚えている。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 鳩山総理は、昨年十二月十七日の晩餐会においてクリントン長官に対し普天間基地移転について、どのような説明を行ったのか、鳩山総理が話した言葉及びそれを訳した英語についてわかる範囲で明らかにされたい。

二 これに対し、クリントン長官はどのように応えたのか、クリントン長官が話した英語及びそれを通訳が鳩山総理に訳した日本語をわかる範囲で明らかにされたい。

三 これらの通訳を行った外務省職員の氏名、現在の役職及び通訳経験について明らかにされたい。

四 クリントン長官は昨年十二月二十一日、国務省において藤崎駐米大使に対し、どのような発言を行ったのか。その詳細を明らかにされたい。

五 国務省に駐米大使が呼び出されるというような事態は過去三十年にさかのぼり何回あり、それぞれどのような要件であったのか、その詳細を明らかにされたい。
 また、クローリー米国務次官補は昨年十二月二十二日の記者会見において、駐米大使は呼び出されたのではなく、大使の方から会いに来た旨発言しているが、事実関係を明らかにされたい。

六 日本国総理と米国国務長官とのこのようなミスコミュニケーションが起きた原因は何であったと鳩山内閣は判断しているのか。さらに、今後の再発防止策はどのように考えているのか、鳩山内閣の見解を明らかにされたい。

七 これらの一連のやり取りは、ミスコミュニケーションではなく、鳩山総理かクリントン長官のどちらかが嘘をついているのではないかとの疑念が国民の一部にあるが、そのことについて鳩山内閣としてどのように申し開きをするのか。外交に対する国民の信頼が重要と鳩山内閣が主張するならば、客観的事実をもって明らかにされたい。

  右質問する。