質問主意書

第173回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第九〇号

内閣参質一七三第九〇号
  平成二十一年十二月十一日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員加藤修一君提出森林整備事業の拡充・強化による「元気な森林づくり」の推進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出森林整備事業の拡充・強化による「元気な森林づくり」の推進に関する質問に対する答弁書

一について

 森林は、国土の保全、水源のかん養、地球温暖化の防止、生物多様性の保全、保健・文化・教育的な利用の場の提供等の多面的機能を有し、国民生活及び国民経済の安定に欠くことのできない「緑の社会資本」であり、政府としては、このような森林の有する機能が適切に発揮されるよう、森林の整備及び保全を進めていくことが重要であると考えている。

二について

 平成二十一年度第一次補正予算に係る森林整備事業については事業実施に向けた準備状況からみて、年度内の執行が困難な箇所の執行を停止し、平成二十二年度予算に係る同事業については対前年度比十五・三パーセント減の概算要求を行ったところであるが、政府としては、予算の重点化を図りつつ、林内路網の整備や施業の集約化、高性能林業機械の導入等による施業の低コスト化を図り、森林所有者が収益を確保することができる林業経営の実現に努めているところである。

三について

 政府としては、適正な森林整備を図る上で、御指摘の「森林認証制度」により認証された森林から生産された木材等、合法性及び持続可能性が証明された木材が消費者に選択され利用されるよう、合法木材の普及・啓発のための研修や説明会等への支援を行っているところである。

四について

 政府としては、緑の雇用担い手対策事業等により、林業への就業に意欲を有する者に対する種々の技術の習得のための研修を支援することを通じて、林業の担い手の育成を促進している。また、お尋ねの「グリーン・サポーター」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、国民の方々や企業等が森林づくりに関する国民運動に参加するフォレスト・サポーターズの仕組み等への支援を行っているところである。

五の1について

 政府としては、いわゆる「赤谷プロジェクト」等においては、地域住民等と連携して、生物多様性の保全と持続的な地域社会づくりの推進に取り組んでいるところである。また、里地里山の保全については、生物多様性を重視した施策の推進を図っているところである。

五の2について

 政府としては、農山村における子どもの体験学習等を推進するとともに、観光立国の実現に向けた取組と連携しつつ都市と農山村の交流活動への支援等を行うことにより、都市住民が農山村に滞在し農林業の体験等を行ういわゆるグリーン・ツーリズムを推進しているところである。また、環境教育の機会として、エコツーリズムの活用を図ることとしている。

五の3について

 政府としては、森林セラピーをはじめとする森林の多様な利用活動の促進に努めているところである。

六について

 政府としては、農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律(平成十九年法律第四十八号)等に基づき、農山村における定住等を促進するための措置や、都市住民による体験学習や体験活動等の場としての農山村の活用の推進、地域の魅力を高め都市住民との交流の増大を図るための施設の整備等の推進を通じて、中山間地域を含む農山村の活性化に取り組んでいるところである。

七の1について

 政府としては、花粉発生源対策として、スギ林から広葉樹林への転換や少花粉スギ、無花粉スギ等花粉症対策苗木の供給体制の整備等に取り組んでいるところである。

七の2について

 政府としては、鳥獣による森林の食害対策として、防護柵等の野生鳥獣被害防止施設や緩衝帯の設置、防除技術者の養成等に対する支援を行っているところである。

七の3について

 お尋ねの「森林環境税」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、森林の整備及び保全のために必要な財源の確保が重要であると考えている。