質問主意書

第173回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第三三号

内閣参質一七三第三三号
  平成二十一年十一月二十四日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員加藤修一君提出内水面漁業の活性化とカワウ被害対策の推進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出内水面漁業の活性化とカワウ被害対策の推進に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、健全な内水面生態系復元等推進事業のうち緊急・広域外来魚等対策事業において、カワウの駆除及び漁場からの追払いの目標を年間約五万羽としている。また、同事業の実施地域において、カワウ駆除による漁業被害の軽減効果等について調査研究を行っている。

二及び三について

 政府としては、平成二十一年度当初予算において、漁業協同組合等が行うカワウによる漁業被害軽減のための取組、カワウの生息数に係る調査及び管理手法の研究並びにカワウによる漁業被害の監視活動等を支援する緊急・広域外来魚等対策事業の充実を図ったところである。

四について

 政府としては、独立行政法人水産総合研究センターにおけるカワウの生息数を減少させるためのより低廉かつ効果的な技術開発の取組に対し支援するとともに、緊急・広域外来魚等対策事業における研修等により当該技術の広範な普及を図っている。

五について

 鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律(平成十九年法律第百三十四号)第四条第一項の規定に基づく市町村による被害防止計画の策定は、カワウを含めた鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための施策を総合的かつ効果的に推進する上で重要であり、農林水産省としては、市町村に対して、そのための指導・助言をしてきたところである。

六について

 政府としては、淡水魚を保護するために漁業協同組合等が実施する河床の産卵環境の整備や竹細工等の利用による隠れ場の整備について助成を行うとともに、河川が本来有する多様な生物の生息・生育・繁殖環境の保全・創出を図るための「多自然川づくり」を推進する等淡水魚の生息環境の保全等に取り組んでいるところである。

七について

 河川流域において、下水道整備や農地における各種汚濁負荷削減対策等を推進しているところである。また、特定の水環境の悪化が著しい河川等においては、「第二期水環境改善緊急行動計画(清流ルネッサンスⅡ)」に基づき、地元市町村、河川管理者、下水道管理者及び関係者が一体となって、特定汚染源対策及び非特定汚染源対策に総合的に取り組んでいるところであり、これらを含め、健全な水循環の確保に資する取組を今後も進めてまいりたい。

八について

 生物の多様性に関する条約第十回締約国会議では、侵略的外来生物等を議論することとなっている。政府としては、御指摘の内水面魚の保護に関しては、平成十九年十一月二十七日に閣議決定した「第三次生物多様性国家戦略」において定められており、外来魚による食害防止に向けた効果的な駆除方法を開発しているところである。