質問主意書

第173回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一一号

内閣参質一七三第一一号
  平成二十一年十一月十日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員浜田昌良君提出北東アジア非核地帯構想に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田昌良君提出北東アジア非核地帯構想に関する質問に対する答弁書

一について

 核兵器国を含むすべての関係国の同意等適切な条件がそろっている地域において非核地帯が設置されることは、一般的に、核不拡散等の目的に資すると考える。
 しかしながら、北東アジアにおいては、非核地帯実現のための現実的環境はいまだ整っていないと考えている。
 我が国としては、北東アジアの安全保障環境改善のため、まずは北朝鮮の核問題の解決の実現に向け努力する考えである。

二について

 御指摘のような仮定の問題について政府の見解を申し述べることは差し控えたい。

三について

 政府としては、米国の核を含む抑止力は、我が国の安全を確保する上で極めて重要な役割を果たしていると考えており、日米安全保障体制に関する様々な協議を米国と行っていく中で、拡大抑止についての議論も行っていきたいと考えている。

四について

 政府は、北朝鮮問題について、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を図る方針であり、北朝鮮に対し、諸問題の解決に向けて具体的な行動を取ることが自らの利益になることを理解させるべく、国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等に基づく措置や我が国独自の措置を着実に実施すると同時に、六者会合の早期再開に向け、引き続き、米国、韓国、中国等の関係国と緊密に連携していく考えである。

五及び六について

 第三者間で締結された条約の解釈について政府として述べる立場になく、政府の見解を申し述べることは差し控えたい。

七について

 第百七十一回国会に提出した北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案(以下「旧法案」という。)第九条第二項の規定は、旧法案の規定による検査等の措置に関し、自衛隊は、海上保安庁のみでは対応できない特別な事情がある場合において、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八十二条の規定による海上における警備行動(以下「海上警備行動」という。)等の既存の法律に基づく措置を実施することがあり得ることを確認的に規定していたものである。他方、お尋ねの第百七十三回国会に提出した国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法案(以下「本法案」という。)において旧法案第九条第二項に相当する規定を設けていないのは、本法案の規定による検査等の措置は、旧法案の規定による検査等の措置と同様のものであるが、そもそも、商船等を対象とするものであり、また、公海上の外国船舶を対象とする場合には旗国の同意が必要であるので、海上警備行動等の措置が必要となることは考えにくいことから、あえてそのような場合についての規定を設けるまでの必要性は乏しいと判断したことによるものである。
 また、旧法案第九条第二項の規定は、前述のとおり、旧法案の規定による検査等の措置に関し自衛隊が既存の法律に基づく措置を実施することがあり得ることを確認的に規定したものであることから、本法案に当該規定に相当する規定を設けないことによって自衛隊の任務及び権限に変更が生じるものではないと考えている。
 なお、対外的影響を理由として、旧法案第九条第二項に相当する規定を設けないこととしたものではなく、さらに、現時点において、当該規定を設けないことについて海外において何らかの反応が示されたとは承知していない。