質問主意書

第173回国会(臨時会)

質問主意書


質問第七〇号

「子ども環境保健」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年十一月三十日

加藤 修一   


       参議院議長 江田 五月 殿



   「子ども環境保健」に関する質問主意書

 一九九二年のブラジルサミット「アジェンダ二十一」をはじめ、一九九七年の八カ国環境関係大臣会合の「マイアミ宣言」等で、発達過程にある子どもは、特に環境中の化学物質に対する感受性が強いため、環境基準を含めた子ども環境に関する政策が長きにわたって求められてきた。
 そこで、以下質問する。

一 「子ども環境保健」の推進と発症メカニズムの解明及び治療法の確立について

 公明党はかねてより予算委員会、環境委員会等において、有機リン化合物の急性毒性や低容量連続暴露による慢性毒性が引き起こす多様な神経障害など、化学物質暴露による健康への影響、特に化学物質による小児の脆弱性や胎児の脳と中枢神経系への影響等の問題について再三取り上げて、政府の積極的な取り組みを求めてきたところであり、環境省は二〇一〇年度より、小児の脆弱性に着目して全国十万人の母親を対象に胎児から十三歳に達するまでの環境リスクに関する大規模な疫学調査を実施する予定である。
 今後、より一層の長期的・計画的・戦略的かつ省庁横断的な統合的取り組みが重要であり、子ども環境のリスク削減に関し、全省庁をあげて全力で取り組むことが求められている。
 そこで、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の一層の円滑な推進と本調査などに基づく発症メカニズムの解明と治療法の確立及び法制化等について、政府の見解を示されたい。

二 子ども環境保健に関する各国の法整備研究と我が国における法制化について

 公明党は、一九九七年に参議院本会議で初めてエンドクリン問題を取り上げると同時に、一九九七年のマイアミサミットや環境ホルモンなどの国際的動向を受けて党内に「環境ホルモン問題PT」を設置し、六十六万人(新潟、茨城)を超える署名とともに環境ホルモン等の調査研究に関して数度にわたる申し入れを行い、国立環境研究所への環境ホルモン棟の設置や国際会議の開催、予算措置などを実現してきた。
 子ども環境保健に関する各国の法整備研究と我が国における法制化の検討について、政府の見解を示されたい。

三 子ども環境保健に関するリスク評価ガイドラインの導入について

 子ども環境保健に関するリスク評価ガイドライン(例:東京都モデル)の導入について、政府の見解を示されたい。

四 子ども環境保健に対する広報活動の強化について

 子ども環境保健の特殊性への理解と啓発及びリスクコミュニケーションの推進について、政府の見解を示されたい。

五 「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」が行政刷新会議の事業仕分けの対象となる事業に選定された理由について

 平成二十一年十一月五日付の「内閣府行政刷新会議事務局で事業仕分けの対象となる事業・組織等(案)」において、環境省の二十三事業が対象となっているが、無駄の定義、不要・不急の定義を示されたい。
 特にその中の、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」について対象とした理由について、政府の見解を示されたい。

  右質問する。