質問主意書

第173回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五七号

独立行政法人都市再生機構における定期借家契約の実施等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年十一月二十五日

浜田 昌良   


       参議院議長 江田 五月 殿



   独立行政法人都市再生機構における定期借家契約の実施等に関する質問主意書

 規制改革推進のための三か年計画(再改定)(平成二十一年三月三十一日閣議決定)において、独立行政法人都市再生機構(以下、単に「機構」という。)の全賃貸住宅ストックの約二割の住宅を対象に、新規入居者募集については、すべて定期借家契約を締結する旨が決定された。機構はこれを受け、本年四月三日付けで「UR賃貸住宅における定期借家契約の幅広い導入について」を発表し、対象団地三十二団地(管理戸数二万八千二百五十九戸)を公表した。しかしながら、公表された対象団地には、二十年から三十年にわたる長年の賃貸居住者が多く居住する団地も含まれており、これらの居住者の間に一律な定期借家契約を導入すれば地域コミュニティ意識の崩壊を招くとの懸念が広がっている。一方、平成二十年に機構賃貸住宅に入居した者の入居前住宅を見ると、分譲住宅(マンションを含む)の占める比率が増加しており、特に高齢者(世帯主六十五歳以上)においては三十二%を占めるようになっている。このことは、機構賃貸住宅を「終の棲家」としてとらえる意識が広がっている証左とも言え、このような意識の変化への対応が求められている。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 「民主党の政権政策マニフェスト二〇〇九」(平成二十一年七月二十七日発行)によれば、「定期借家制度の普及を推進する」とあるが、鳩山内閣における定期借家制度推進のあり方、特に、機構等の公的団地におけるその基本的考え方を明らかにされたい。

二 鳩山総理が本年十月二十六日に行った所信表明演説においては「地域の絆」、「新しい公共」等が打ち出されているが、これらを実現する上で地域コミュニティ意識の維持・向上が不可欠であると考える。政府の見解を示されたい。

三 先述したとおり、定期借家契約導入の対象団地には、二十年から三十年にわたる長年の賃貸居住者が多く居住する団地も含まれており、このような団地における新規入居者募集についてすべて定期借家契約を締結するとすれば、地域コミュニティ意識の維持・向上が図れないと考えられる。その具体的運用においては、居住者の平均居住年数、当該団地における地域コミュニティ意識の果たしている役割等、実態を踏まえた運用に変更すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。