質問主意書

第173回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五五号

与那国島防衛に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年十一月二十五日

山谷 えり子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   与那国島防衛に関する質問主意書

 近年、東シナ海において中国による領海侵犯が繰り返されている。中国の軍事力増大や海洋活動の活発化に対し、国境に位置する与那国島は危機感を募らせているとの報道があった。昨年九月に与那国町議会は自衛隊誘致を決め、本年六月には与那国町長が防衛相に自衛隊誘致を陳情している。当時の自民党政権も陸上自衛隊を配備する方針をかためていたが、民主党政権では防衛力配備に否定的であるとの報道がされている。北澤俊美防衛相も本年九月二十五日の記者会見で、「早急に配備する必要があるのか。いたずらに近隣諸国に懸念を抱かせることはしないで、丁寧にやっていきたい」と発言したとの報道があった。
 そこで、次の事項について質問する。

一 最近五年間における、中国籍を含む外国籍船舶による与那国島周辺の領海侵犯の件数およびその詳細について明らかにされたい。

二 現状では、与那国島の西側上空三分の二が台湾の防空識別圏となっている。沖縄占領時における米軍の設定が現在までも続いているためだが、政府はこの現状をどう考えるか。

三 与那国島上空の台湾の防空識別圏は我が国の領空であるが、当該空域に対する外国軍用機による領空侵犯について、政府及び自衛隊はどのように認識し、どのように対処しているのか明らかにされたい。

四 我が国の領土である与那国島に対する急迫不正の侵害があった場合、自衛隊が配備されていない現状では対処に時間がかかり、防衛および島民の生命と財産の保護に深刻な事態が生じると考えられるが、政府はどのように考えるか。防衛力配備を求める地元住民の声を政府はどう受け止めているか、認識を明らかにされたい。

五 与那国町では、人口流出が深刻な問題となっている。離島振興は、国防にも直結する課題である。与那国島の振興をどのように考えているか、政府の方針を明らかにされたい。

  右質問する。