質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第二二九号

内閣参質一七一第二二九号
  平成二十一年七月十七日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員谷博之君提出障がい者団体向け郵便割引制度悪用にからむ第三種郵便物制度に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員谷博之君提出障がい者団体向け郵便割引制度悪用にからむ第三種郵便物制度に関する再質問に対する答弁書

一について

 一回の発行部数に占める有料発売部数の割合が百分の八十以上であることという条件(以下「有料発売条件」という。)は、郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)第二十二条第三項第三号に規定する「政治、経済、文化その他公共的な事項を報道し、又は論議することを目的とし、あまねく発売されるものであること」の具体的な基準として昭和四十一年から長年にわたって適用されており、適正なものと判断している。

二について

 お尋ねの各刊行物について、発行元から聴取したところによると、前回答弁書(平成二十一年六月三十日内閣参質一七一第二一一号)二についてでお答えしたとおり、現在においては、宅配便を利用しているところであるが、いずれの刊行物についても、郵便事業株式会社(以下「会社」という。)に対し、第三種郵便物(郵便法第二十二条第一項に規定するものをいう。以下同じ。)の利用の取りやめの届出を提出し、又は提出を準備しているとのことである。

三について

 お尋ねの「外交フォーラム」は、外務省を含めいずれの府省も編集協力等の主体となっているものではなく、その有料発売部数の割合が八割以上あるか否かについては、一般に把握する立場にない。「外交フォーラム」は、第三種郵便物として承認を受けていると承知している。

四について

 「行政&情報システム」については、総務省において、発行元より千七百四十部購入し、省内に七百九十四部、省外の第三者へ無料で九百四十六部配布している。配布に当たっては、千七百四十部のうち、千七百三十八部は宅配便等を利用し、二部は第三種郵便物として郵便を利用している。
 また、発行元から一括購入された後、第三者に無料で配布される刊行物は、有料発売条件の算定上、有料発売部数に含まれないものであり、当該無料で配布される部数を差し引いた有料で発売される部数が、発行部数の八割未満である場合には、有料発売条件を満たさないものである。

五について

 現在、各府省が、発行元より一括購入後、第三者へ無料で配布している部数は、調査した限りでは次のとおりである。
 人事院月報 二千三百部、学術の動向 零部、公正取引 百七部、警察学論集 零部、行政&情報システム 九百四十六部、情報通信ジャーナル 零部、更生保護 零部、国際人流 零部、ファイナンス 千八百二十四部、文部科学時報 四百九十七部、教育委員会月報 零部、初等教育資料 零部、中等教育資料 三十二部、産業と教育 十七部、文化庁月報 五百九十六部、月刊文化財 三百二十一部、リハビリテーション 零部、ノーマライゼーション 零部、とやま労基 零部、山口労基 零部、経済産業統計 四十四部、生産・出荷・在庫指数速報 零部、商業販売統計月報 零部、化学工業統計月報 零部、機械統計月報 零部、資源・エネルギー統計月報 零部、工業用水 零部、いっとじゅっけん 零部、発明 零部、人と国土21 零部、新都市 零部、土木技術資料 零部、九州運輸局報 零部

六について

 五についてで述べた刊行物のうち、各府省が発行元より一括購入後、第三者へ無料で配布している部数を差し引いた有料で発売される部数が、発行部数の八割未満である刊行物は、次のとおりである。
 人事院月報、学術の動向、行政&情報システム、ファイナンス、文化庁月報、商業販売統計月報、いっとじゅっけん

七について

 四についてで述べたとおり、発行元から一括購入された後、第三者に無料で配布される刊行物は、有料発売条件の算定上、有料発売部数に含まれないものであり、当該無料で配布される部数を差し引いた有料で発売される部数が、発行部数の八割未満である場合には、有料発売条件を満たさないものである。

八について

 心身障害者団体の発行する定期刊行物を内容とする低料第三種郵便物(以下「心身障害者用低料第三種郵便物」という。)の制度は、郵便サービスの利用者全体で支えている制度であり、また、心身障害者の福祉の向上を目的とした、社会政策上重要な制度であることから、制度の目的に沿った適正な運用が確保されることが必要である。しかしながら、会社支店や郵便局において、取扱いを定めた社内マニュアル等に反し、制度の趣旨を逸脱した指導等が行われるような実態があるとすれば、早急に改善されるべきものと考える。

九について

 第三種郵便物の承認条件は、第三種郵便物の制度の目的を達成するために規定されたものであることから、承認条件の一つである有料発売条件を適正に適用することについて、御指摘のような認識は有していない。

十について

 心身障害者用低料第三種郵便物の制度の不適正利用防止については、有料発売条件その他の承認条件の適切な確認体制の整備等様々な再発防止策を、既に、会社において実施しているところである。

十一について

 心身障害者用低料第三種郵便物の制度における制度運用上の課題等については、関係者の意見も聴いた上で、その解決方法等について検討してまいりたい。