質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第二〇六号

内閣参質一七一第二〇六号
  平成二十一年六月十九日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員今野東君提出JR姫新線の高速化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員今野東君提出JR姫新線の高速化に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「アンケート」については承知しておらず、また、御指摘の「「輸送改善工事」計画」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、西日本旅客鉄道株式会社(以下「JR西日本」という。)姫新線内の既存の鉄道施設を変更する工事において、「時間短縮を最優先」とするか否かについては、当該路線の鉄道事業者であるJR西日本が、地元地方公共団体等からの速達性の向上や増便等の要望等を踏まえ最終的に判断するものであり、お尋ねについてお答えする立場にない。

二について

 御指摘の「「輸送改善工事」計画」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第十二条第一項に基づき、JR西日本から平成二十年四月に認可の申請があったJR西日本姫新線内の運転保安設備の変更に係る工事計画については、国土交通省において当該計画を認可するに当たって、JR西日本が同法等の関係法令に基づき作成した事業の基本となる計画及び鉄道に関する技術上の基準を定める省令(平成十三年国土交通省令第百五十一号)に適合していることを確認した。なお、国土交通省においては、平成十七年四月に発生したJR西日本福知山線列車脱線事故(以下「福知山線列車事故」という。)を踏まえ、平成十八年三月に同令を改正し、同年七月に施行していたところである。

三について

 お尋ねの「この高速化にともなう運転士の心理的・精神的な負担を、JR西日本がどのように認識しているか」については承知していない。
 また、福知山線列車事故に係る鉄道事故調査報告書(以下「事故調査報告書」という。)に記載されている「運転士管理方法」の改善に関しては、JR西日本から、福知山線列車事故後、事故の再発防止のための運転士の教育について、教育期間、教育内容等を明確化したマニュアルを整備するとともに、シミュレータやコンピュータの活用により運転士に対する教育訓練内容を充実する等の取組を行っている旨報告を受けている。

四について

 御指摘の「企業体質の改善」の意味するところが必ずしも明らかではないが、福知山線列車事故を受け、国土交通省においては、JR西日本に対し、平成十七年四月、再発防止のための抜本的な措置を講じさせるために「安全性向上計画」を策定するよう求め、さらに、平成十九年六月には、事故調査報告書を踏まえ、講ずべき措置に関する対応策の早急な取りまとめ等を求める等の指導等を行ってきたところである。
 JR西日本からは、国土交通省によるこれらの指導等を踏まえ、「安全性向上計画」を策定し、輸送の安全を最優先とすることの徹底、コンプライアンスの確立等の安全性の向上に資する取組を行っている旨報告を受けている。