質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七七号

内閣参質一七一第一七七号
  平成二十一年六月五日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員糸数慶子君提出国境離島等の保全・支援に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員糸数慶子君提出国境離島等の保全・支援に関する質問に対する答弁書

一、二及び七について

 御指摘の「国境離島」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、国土形成計画(全国計画)(平成二十年七月四日閣議決定)において記述されているとおり、外海に位置する離島を含め、離島は「我が国の領域、排他的経済水域等の保全、海洋資源の利用、自然環境の保全等について重要な国家的役割を担うとともに、海岸等の自然とのふれあいを通じた癒しの空間の提供等の国民的役割を備えている」ものである。
 しかしながら、離島においては人口減少や少子高齢化が継続的に進行し、基幹産業である農林水産業等が低迷する等、当該地域を取り巻く状況は厳しいものとなっていると認識している。
 このため、現在、離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)等に基づき、離島における生活基盤や産業基盤の整備の促進の観点から公共事業の補助率のかさ上げ等の様々な措置を講じる等、いわゆるハード及びソフト両面にわたり、離島振興のための施策を講じているところである。
 政府としては、引き続き、地元からの要望等を踏まえ、離島振興法等に基づき、離島振興を図ってまいりたい。

三について

 普通交付税の基準財政需要額は、地方公共団体が合理的かつ妥当な水準における標準的な行政を行うために要する経費について算定するものであるが、領海及び排他的経済水域に係る事務については、地方公共団体の行う標準的な行政サービスとして基本的に想定されないことから、「離島の領海及び排他的経済水域」について基準財政需要額の算定の対象とすることは考えていない。

四について

 御指摘の「全国一律となっている基準や要綱、特区開設に関する要件等」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、離島に対しては、各事業や制度を所管する各府省において、地域の現状を踏まえつつ、必要に応じて各事業や制度に係る要件等の緩和措置等を行っているところである。

五について

 離島航路の運賃については、運航事業者の経営判断の下で設定されることが基本であると考えているが、御指摘の「船賃の軽減」については、国による運航効率化のための支援及び地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金等を活用した地方公共団体による運航事業者に対する財政支援の連携等により、一定期間内において離島住民向けの運賃割引を実現した離島航路があると承知しており、今後、関係者に対し、このような取組について情報提供等を行ってまいりたい。
 なお、国においては、従来から、離島航路の維持を図るため、運航欠損に対する補助金の交付等を行ってきているところである。

六について

 沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)第三条第三号及び沖縄振興特別措置法施行令(平成十四年政令第百二号)第一条に基づく「指定離島」については、沖縄にある島のうち、沖縄島と架橋等により連結されていない島であって、かつ、有人島又は畜産業、水産業、農業等が営まれており、若しくは観光レクリエーションの場として有人島と一体的に振興を図る必要が認められる無人島のいずれかに該当する島を指定しており、尖閣諸島については、現時点において、この指定要件を満たしていないため、指定することは困難である。