質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第一四〇号

内閣参質一七一第一四〇号
  平成二十一年四月二十八日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員亀井亜紀子君提出中城湾港泡瀬地区埋立事業第一区域への土砂投入工事の着工に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員亀井亜紀子君提出中城湾港泡瀬地区埋立事業第一区域への土砂投入工事の着工に関する再質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「平成元年に沖縄市が策定した東部海浜地区開発計画」及び「平成三年の埋立計画」に関する事業の採算性について、政府として判断した事実はない。

二について

 お尋ねの「公共事業再評価制度の趣旨」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国が公共事業の再評価を行う際には、事業をめぐる社会経済情勢等の変化、事業の投資効果、事業の進捗状況等を総合的に考慮している。
 また、お尋ねの「これまでに支出済みの事業費額」及び「完成時までの総事業費に占める割合(事業費ベースの進捗率)」の意味するところが必ずしも明らかではないが、中城湾港(泡瀬地区)公有水面埋立事業(以下「本件埋立事業」という。)のうち第一区域に係る事業(以下「第一区域埋立事業」という。)については、平成二十年度までに約二百十二億円を支出したところであり、当該金額の第一区域埋立事業の総事業費に占める割合は約七十四パーセントである。

三について

 第一区域埋立事業については、これまで沖縄県及び沖縄市の意向を踏まえて進めてきており、平成二十一年一月にも沖縄市から東部海浜開発事業の支援に係る要請を受けたところである。
 また、本件埋立事業については、現在、沖縄県による本件埋立事業への公金支出の差止め等を求める訴訟が係属中であり、お尋ねの「埋立事業を凍結する一方、新港地区の必要な整備は進めるという可能性」は、現に係争中であるか又はそれに密接に関連する問題であるため、政府としては答弁を差し控えたい。

四について

 御指摘の「沖縄市の方針」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、前回答弁書(平成二十一年三月三日内閣参質一七一第六二号)四についてで述べたように、本件埋立事業については、今後も引き続き沖縄県及び沖縄市の意向も踏まえながら、進めていく考えである。
 また、御指摘の「浚渫される土砂」の処分については、沖縄市の行う「第二区域」に関する計画の見直しを踏まえて、適切に実施すべきものと考えている。

五について

 国が行う本件埋立事業は、中城湾港新港地区多目的国際ターミナル整備事業の一環として、当該事業における浚渫工事により発生する土砂の処分を行うものであり、本件埋立事業のみを対象として、御指摘の「事業再評価」や「費用対効果」の算定を行うものではない。

六について

 本件埋立事業における環境保全上の配慮については、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)及び公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)に基づく手続を行った際に今後実施することが必要とされた内容を含め、事業者である内閣府沖縄総合事務局において、環境保全のための措置が講じられることとなっており、環境影響評価法に基づく手続を行った際に、「工事中に貴重な動植物が確認された際は、関係機関に報告するとともに、適切な措置を講じる」よう、沖縄県知事から意見が述べられたことなどを踏まえ、事業者である内閣府沖縄総合事務局において適切に対応してきているところである。