質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第一二九号

内閣参質一七一第一二九号
  平成二十一年四月二十四日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員井上哲士君提出学校芸術鑑賞教室に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員井上哲士君提出学校芸術鑑賞教室に関する質問に対する答弁書

一について

 文化庁の委嘱を受けた社団法人日本芸能実演家団体協議会が実施した平成十九年度の学校における鑑賞教室等に関する実態調査(以下「実態調査」という。)の結果においては、平成十九年度の学校における舞台芸術鑑賞教室の実施率について、平成十四年度と「ほぼ同程度の実施率を保っている」と報告されていると承知しているが、いずれにしても、文化庁としては、今後とも、厳しい財政状況を踏まえつつ、子どもたちが学校を始めとする様々な場で舞台芸術を鑑賞する機会を得られるよう努めてまいりたいと考えている。

二の1について

 独立行政法人日本芸術文化振興会による芸術文化振興基金を活用した学校鑑賞教室への助成事業(以下「基金助成事業」という。)のうち、芸術統括団体に対する助成は、平成十四年度は二団体に対して六千四百万円、平成二十年度は二団体に対して四千八百万円と減少しているが、基金助成事業全体では、平成十四年度は八団体に対して九千三百八十万円、平成二十年度は九団体に対して九千四百七十万円と増加しており、文化庁としては、「先の答弁書の答弁と矛盾する」との御指摘は当たらないと考えている。
 いずれにしても、文化庁としては、今後とも、厳しい財政状況を踏まえつつ、基金助成事業等を通じ、子どもたちが学校を始めとする様々な場で舞台芸術を鑑賞する機会を得られるよう努めてまいりたいと考えている。

二の2、三及び四について

 実態調査においては、本物の舞台芸術体験事業の学校における舞台芸術鑑賞教室全体に占める実施割合を調査しておらず、文化庁としては把握していない。
 文化庁としては、これまでも、本物の舞台芸術体験事業や基金助成事業の拡充を図ってきたところであるが、御指摘の実態調査の結果を踏まえつつ、平成二十一年度には本物の舞台芸術体験事業について、大幅な事業規模の拡大を図り、複数校合同開催の促進により多くの学校が同事業に採択され得るように改善したところである。これに加えて、基金助成事業を着実に実施するとともに、地方公共団体による学校における鑑賞教室の実施に向けた取組を積極的に促してまいりたいと考えている。
 また、本物の舞台芸術体験事業の公演団体及び演目の決定に当たっては、芸術家等の有識者で構成される企画委員会の推薦に基づくこととしているほか、事業の実施に当たっては、公演団体や各都道府県・政令指定都市の文化芸術担当者を対象とした事業説明会を行うなど、関係者からの意見等を踏まえつつ、事業の円滑な実施に努めているところである。

五について

 文化庁としては、「文化芸術の振興に関する基本的な方針」(平成十九年二月九日閣議決定)について、各都道府県、各都道府県教育委員会、各市区町村及び各市区町村教育委員会に対し平成十九年二月に通知するとともに、各種会議において周知を図っている。
 また、文化庁としては、子どもたちが様々な場で舞台芸術を鑑賞する機会を得られるよう、今後とも国における取組を進めるとともに、各地方公共団体による取組を促してまいりたい。