質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第一九三号

米軍基地から排出される廃棄物等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年六月一日

糸数 慶子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   米軍基地から排出される廃棄物等に関する質問主意書

 沖縄県は本年四月、在沖米軍基地から排出された廃棄物を調べた結果、石綿(アスベスト)を検出した。政府は、在日米軍から派生する環境問題について日米合同委員会の下にある環境分科委員会での協議や二〇〇〇年九月の「環境原則に関する共同発表」及び在日米軍が作成した「日本環境管理基準」(JEGS)を根拠として「配慮がなされている」との認識を示している。しかし、今回の石綿検出をはじめとして返還された土地の土壌汚染等が明らかになっている。さらに米軍施設及び区域から排出されるごみ問題も看過できない。よって、以下質問する。

一 今回の石綿検出に対する政府の見解を示されたい。

二 石綿は宜野湾市の米軍キャンプ瑞慶覧から排出されたようだが、基地内における工事施工の期日、工事規模、石綿使用箇所、石綿除去作業の内容、排出に至る経緯を政府が承知している範囲で、詳細に明らかにされたい。

三 在沖米軍施設及び区域における石綿使用の司令部庁舎、隊舎等の場所及びボイラー室、空調設備等箇所を政府が承知している範囲で、明らかにされたい。

四 在沖米軍施設及び区域における石綿の飛散防止対策と処理対策を明らかにされたい。

五 石綿は在日米軍の施設や区域で働く駐留軍労働者に多大な健康被害をもたらした。政府は、労働安全衛生法等に基づく健康診断の実施、相談窓口の開設等を通じて石綿被害の実態調査等に乗り出しているが、石綿による健康被害を受けたとする在沖縄の駐留軍労働者の数を明らかにされたい。具体的には労災申請(退職者を含む。)の件数、労災認定(退職者を含む。)の件数、申請後の死亡者数、相談窓口を訪れた人数とする。

六 在沖米軍施設及び区域における廃棄物の分別、収集、運搬、最終処分の方法等について、政府が承知しているところを明らかにされたい。

七 在沖米軍施設及び区域から排出される廃棄物の量(具体的には基地外の沖縄県内各自治体に持ち込まれる量で、一般廃棄物と産業廃棄物を指し、統計等が取られている範囲とする。)を明らかにされたい。

八 在日米軍の施設及び区域内での廃棄物処理は廃棄物処理業者との契約によると思料されるが、当該業者が不法投棄や大気汚染防止法等の国内法に抵触した場合、在日米軍の責任を問えるのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。