質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇八号

弾劾手続き中の裁判官に対する給与支払いに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年四月二日

前川 清成   


       参議院議長 江田 五月 殿



   弾劾手続き中の裁判官に対する給与支払いに関する質問主意書

 昨年、現職裁判官によるストーカー事件が発生し、加害者である下山芳晴判事は、平成二十年十二月二十四日、裁判官弾劾裁判所において罷免されるに至ったが、同人は平成二十年四月十日以降、裁判所から自宅待機を指示されており、何ら職務に従事していなかった。
 さらには裁判官弾劾裁判所は、平成二十年九月二十九日、下山判事に対して職務停止決定を行った。
 それにもかかわらず、裁判所は、同人に対して右四月十日から十二月二十四日までの間に給与、賞与を合計千百七十万円支払っている。
 そこで、以下の通り質問する。

一 憲法第八十条第二項は「下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。」と定めているが、この条文は、逮捕、勾留等、裁判官本人の責めに帰すべき事由によって職務を執ることができない期間においても、従前の給与全額を支払わなければならないとの趣旨を含んでいると解釈しているか。

二 裁判官が逮捕、勾留された時点で、当該裁判官の職務を自動的に停止し、それ以降の給与、賞与の支払いも停止するべきではないか。

三 政府においては、前問の趣旨に沿うよう裁判官弾劾法あるいは裁判官の報酬等に関する法律の改正に着手する予定はないか。

四 遅くとも裁判官弾劾裁判所による職務停止決定の後は、当該裁判官に対して給与、賞与の支払いも停止するべきではないか。

五 政府においては、前問の趣旨に沿うよう裁判官弾劾法あるいは裁判官の報酬等に関する法律の改正に着手する予定はないか。

  右質問する。