質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇一号

障害の範囲の国際比較に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年三月三十一日

谷 博之   


       参議院議長 江田 五月 殿



   障害の範囲の国際比較に関する質問主意書

 先国会、私は、障害の範囲見直しに関する質問主意書(第一七〇回国会質問第一二一号)に対する答弁書(内閣参質一七〇第一二一号)を受領したが、それに関連して、以下質問する。

一 障害者の権利に関する条約(仮称)(以下「条約」という。)において、いかなる範囲の者を「障害者」と位置付けて施策を講じるかについては、各国の判断にゆだねられているので、現在の取扱いが条約の目的や理念及び憲法第十四条に反するとはいえない、との意見を政府は持っているか。

二 条約の目的や理念に沿って国内法をどのように改正し条約を批准していくかは、関係省庁間で決めることではなく、当事者、国民、国民を代表する国会での議論にゆだねられている。当事者の参画は条約の重要なテーマであり、障害を持つ当事者抜きに、障害者自身に関することを決めてはならないという考え方についての政府の見解を明らかにされたい。

三 経済協力開発機構(以下「OECD」という。)が二〇〇三年に発行した「Transforming Disability into Ability」の二十五ページにあるTable3.1.に示されたOECD各国の障害者割合と、二〇〇四年度版障害者白書における障害者数から算出される我が国の障害者割合を見比べれば、欧米諸国では対人口比一五から二〇パーセント程度であるのに対し、我が国の障害者は対人口比で五パーセント程度であることがわかる。これは明らかに我が国の障害の範囲が狭いことを示していると思うが、なぜこのような狭い障害の範囲を法律により定めているのか、政府の見解を明らかにされたい。

四 OECDの「Social Expenditure Database」によれば、我が国の障害にかかわる予算が欧米諸国と比較して極めて低水準となっている。ドイツの四分の一、アメリカ合衆国の二分の一程度でしかない。なぜ、このように予算が低水準なのか、政府の見解を示されたい。必要としている方に十分に施策が行き届いていないのではないかとの認識を持たざるを得ないが、政府はそのような認識を有していないのか。

  右質問する。