質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第六三号

国際自然保護連合の「二〇一〇年国連国際生物多様性年におけるジュゴン保護の促進」勧告に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年二月二十三日

糸数 慶子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   国際自然保護連合の「二〇一〇年国連国際生物多様性年におけるジュゴン保護の促進」勧告に関する再質問主意書

 二〇〇八年十月、スペインのバルセロナで開催された国際自然保護連合(IUCN)第四回世界自然保護会議において採択された「二〇一〇年国連国際生物多様性年におけるジュゴン保護の促進」と題する勧告(以下、「ジュゴン保護勧告」という。)に関する私の質問主意書に対する政府からの答弁書(内閣参質一七一第三四号)を受領した。
 しかし、この政府答弁は、ジュゴン勧告に対する政府の見解を示さないばかりか、勧告に示されたジュゴン保護のための行動計画の作成等に関する質問に全く答えていない。米国カリフォルニア州の地方裁判所においては、沖縄県名護市辺野古の海域で進められている米海兵隊新基地建設に対し米国政府を相手取り、同海域に生きるジュゴンを原告とした訴訟が提起され、ジュゴンの生存権としての環境保全の重要性が争われている。今回で三度目となる「ジュゴン保護勧告」は、ジュゴンの生存権に関わる極めて重要な問題と認識している。よって以下、再質問する。

一 政府は、三度目となるジュゴン保護勧告をどのように受け止めているのか、勧告を受け入れ、勧告の履行に努めるのかどうかを含め、見解を明示されたい。

二 政府のジュゴン保護勧告の採決棄権は、勧告を無視する動きとも受け取れるが、見解を示されたい。

三 答弁書の内容からすると、新たに学者、研究者、NGOを加えた環境アセスメントの実施については否定的な見解を示している。現在実施している環境影響評価手続において、特にジュゴンへの影響についての調査、予測及び評価が十分だとする根拠を明らかにされたい。

四 答弁書の「一から四までについて」における「勧告を棄権する旨の投票理由説明」について、投票理由説明の内容を具体的に明らかにされたい。

五 ジュゴン保護勧告では政府に対し、米海兵隊新基地建設による有害な影響を回避、または緩和するための行動計画を作成し、公表することを求めている。あらためて、いつまでに行動計画を作成し、公表するのか、明らかにされたい。

六 答弁書の「五について」において、政府は「随時日米間で情報交換等を行ってきている」としているが、情報交換等の内容を具体的に明らかにされたい。

  右質問する。