質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第三八号

農林中央金庫「二〇〇九年三月期半期決算」の修正に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年二月十日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   農林中央金庫「二〇〇九年三月期半期決算」の修正に関する質問主意書

 本年一月三十日に農林中央金庫が二〇〇八年十一月に発表した中間決算を修正した。この決算書について以下質問する。なお、農林中央金庫に対する政府の監督責任を踏まえ、誠実に答弁されたい。

一 この決算書によるとオートローン、JHF、クレジットカード等資産担保証券(ABS)の減損がゼロとあるが、格付けシングルAはすでに額面の五十%を割ったものも多いはずであり、評価損がゼロということは理解できないが、その詳細を示されたい。

二 CLOなどの減損はわずか百三十八億円となっている。昨年九月末のモデルの価格では、Aはすでに額面の二十%、AAは三十%前後の損失が発生しているが、なぜこのような価格計算がなされたかが不可解である。価格計算の根拠を示されたい。

三 再証券化商品などはAAAを二千六十五億円、AAを九百七十二億円、A・BBBを三百八億円も保有している。再証券化商品は一般的に全額損失に引き当てている。市場は完全に消滅し、回復の見込みがないのに、なぜ減損が五百七十六億円なのか疑問である。半期でまだ七十%前後の価格を見積もっているが、どのような根拠なのか明確に示されたい。

四 また評価の手法については決算資料の中に「証券化エクスポージャーの時価評価について」と題して「証券化エクスポージャーには、有価証券、買入金銭債権、貸出金の残高の他、未収収益やコミットメントの未実行残高等を含む。証券化エクスポージャーにおける有価証券のうち残高ベースでほとんどが時価のある有価証券。貸出金、買入金銭債権について時価は付されていない。時価評価は「金融商品に関する会計基準」「金融商品会計に関する実務指針」に基づき実施しており、市場ベンダー、証券会社等が提供するブローカー時価を採用。当金庫の独立したミドル部門が、ブローカー時価の適切性を総合的に検証している。なお、上記会計基準・実務指針に基づき、時価評価が取得原価(償却原価を含む)と比べて五割以上下落した場合は、減損処理を行っている」とあるが、ブローカーにすれば当然価格が下落したものを売ったとは言えないので、顧客に対しては有利な評価価格を出すインセンティブが働くのではないか。独立した客観的な評価機関などによる検証などが必要と考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。