質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第三四号

国際自然保護連合の「二〇一〇年国連国際生物多様性年におけるジュゴン保護の促進」勧告に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年二月九日

糸数 慶子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   国際自然保護連合の「二〇一〇年国連国際生物多様性年におけるジュゴン保護の促進」勧告に関する質問主意書

 二〇〇八年十月、スペインのバルセロナで開催された国際自然保護連合(IUCN)第四回世界自然保護会議において、ジュゴン保護に関し、三度目となる「二〇一〇年国連国際生物多様性年におけるジュゴン保護の促進」と題する勧告(以下、「ジュゴン保護勧告」という。)が賛成多数で採択された。
 二〇一〇年に名古屋で開催される生物多様性条約第十回締約国会議は、日本政府が議長国であり、ジュゴン保護勧告の履行に向けリーダーシップをとるべきだと考える。勧告の柱は、同会議に参加したジュゴン保護キャンペーンセンター、日本自然保護協会、世界自然保護基金(WWFジャパン)等によると、①国連をはじめIUCN、ジュゴン生息域を持つすべての国がジュゴン保護を促進すること、②沖縄県名護市辺野古海域に生息するジュゴン保護の緊急性から同海域での米海兵隊新基地建設に対し日米両政府が協働で環境アセスメントに取り組むこと等となっている。しかし、日本政府は、ジュゴン保護勧告の採決に際し棄権した。
 よって以下、質問する。

一 ジュゴン保護勧告に対する政府の見解を示されたい。

二 ジュゴン保護勧告の採決棄権について、その理由を明らかにされたい。

三 ジュゴン保護勧告では日本政府に対し、沖縄県名護市辺野古での米海兵隊新基地建設における環境アセスメントは、科学者、NGOと相談して環境保全と野生生物保護を考慮し、すべてのオプション(基地を造らないというゼロ・オプション)を含めて実施する努力を求めているが、現在実施されている環境アセスメントを見直すのかどうか、見解を示されたい。

四 ジュゴン保護勧告では日本政府に対し、米海兵隊新基地建設による有害な影響を回避、または緩和するための行動計画を作成し、公表することを求めているが、いつまでに行動計画を作成し、公表するのか、明らかにされたい。

五 ジュゴン保護勧告ではアメリカ政府に対し、環境アセスメントに際しての日本政府との協働と、ジュゴン保護のための環境保全の行動計画策定に当たっての日本政府との協働を求めているが、政府はこの二点についてアメリカ政府と協議したことがあるのかどうか、協議したのであれば、その内容を明らかにされたい。

六 二〇一〇年に名古屋で開催される生物多様性条約第十回締約国会議は、日本政府が議長国となり議事の進行等にあたるが、「ジュゴン保護勧告」をどのように取り扱うのか、見解を示されたい。

  右質問する。