質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第二五号

政府及び日本銀行による金融市場の安定確保と企業金融の円滑化のための対策と再就職規制等との関係に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年二月四日

大久保 勉   


       参議院議長 江田 五月 殿



   政府及び日本銀行による金融市場の安定確保と企業金融の円滑化のための対策と再就職規制等との関係に関する質問主意書

 第百七十回国会において、金融機能の強化のための特別措置に関する法律(以下、「金融機能強化法」という。)により、銀行をはじめとする金融機関等が公的資金を活用して資本増強できるようになった。加えて、今国会には金融機関以外の一般企業についても、産業活力再生特別措置法の改正により、金融機関による出資を円滑化する制度(以下、「一般企業制度」という。)を導入する法案を国会に提出したところである。なお、政府と軌を一にして日本銀行も、コマーシャルペーパー(以下、「CP」という。)等の買入を行う方針等を示し、企業金融の円滑化を図っている。このような政策自体は、評価すべきことである。
 ただし、これらの政策によって、企業に対する政府及び日本銀行の影響力が増大することに留意する必要がある。政府職員や日本銀行職員が、この影響力の増大を奇貨として、再就職(再々就職等を含む。以下、同様とする。)を強要するもしくは事実上強要する可能性があるとの指摘がある。
 また、企業にとっては、自らの存続に関わる事項であるから、この影響力を過敏に受け止めることもありうる。こうしたことから、公的資金による資本増強が自らにとって有利になされるよう、合法か否か及び適切か不適切かを問わず、様々な行動を企図するのではないかと危惧する声も、一部からあがっている。
 よって、以下の質問をする。

一 金融機能強化法もしくは一般企業制度を活用して公的資金による資本増強を行った企業(以下、「資本増強企業」という。)へ、退職した国家公務員が再就職することに関して、政府は現行の国家公務員法において何らかの問題が生じると考えているか、明らかにされたい。また、今後、政府が行っている公務員改革において、この再就職にどのような問題が生じるか、あわせて明らかにされたい。

二 資本増強企業が、国会議員等に対し、一種の手数料として、何らかの便宜供与を行うことがないとはいえないと考える。便宜供与があった場合、政治資金規正法において何らかの問題が生じると考えているか、明らかにされたい。また、公職選挙法においても何らかの問題が生じると考えているか、あわせて明らかにされたい。

三 日本銀行が行うCP等の買入について、対象となるCPを発行する企業への再就職に関して、同行の「服務に関する準則」との関係を政府はどのように判断しているか、明らかにされたい。

  右質問する。