質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第一四号

教科書検定の見直しに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年一月二十六日

喜納 昌吉   


       参議院議長 江田 五月 殿



   教科書検定の見直しに関する質問主意書

 文部科学省(以下「文科省」という。)は二〇〇七年の高校教科書の検定で、沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の記述から「軍の強制」を削除したことが明らかになり、沖縄県では全県的に検定意見の撤回と記述の復活を求める運動が展開された。文科省は同年十二月二十六日に、当初の「軍の強制」の記述を盛り込んだ修正は認めず、あいまいかつ不十分な訂正の申請を承認して、一応決着した。また、渡海文科相(当時)は同日、検定の透明化など検定制度の見直しを行うと表明し、その後、見直し作業が進められている。ついては以下質問する。

一 文科省は、検定基準案に関しては、案文全文を公表し、新旧対照表も作成し、意見公募を実施したが、検定規則の改定については、改定条文を示さず概要のみを発表し意見公募を実施した。同じ検定見直しの意見公募の実施に関して、実施方法が違うのはなぜか。見解を理由とともに明らかにされたい。

二 教科書検定の透明化のために、政府は、教科用図書検定調査審議会の傍聴を認め、検定終了前にその詳細な議事録を公表すべきだ。政府にその考えはあるか、見解を明らかにされたい。

三 旧文部省は一九八二年十一月に、教科用図書検定調査審議会に提出した「具体的事項についての検定方針(案)」に、いわゆる「沖縄条項」の新設を明記した。それが新設されないために、「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」は二〇〇八年十二月九日、文科省に「沖縄条項」の設置を求めた。政府は、今後「沖縄条項」を新設する意思はあるか、明らかにされたい。

四 二〇〇七年の「軍の強制」の記述修正問題の際、間違った検定意見の是正手続きの不備が大きな問題となった。政府は、今回の検定制度の見直しで、検定意見の是正手続きに関して具体的な見直し案を作成したのか。作成したのであれば、内容を明らかにされたい。

  右質問する。