質問主意書

第170回国会(臨時会)

答弁書


第百七十回国会答弁書第一四八号

内閣参質一七〇第一四八号
  平成二十一年一月九日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員川田龍平君提出グリーン購入法のコピー用紙についての基準改定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出グリーン購入法のコピー用紙についての基準改定に関する質問に対する答弁書

一について

 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成十二年法律第百号)第六条第一項の規定に基づき定められた「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(平成十三年二月二日閣議決定。以下「基本方針」という。)の見直しの一環として、国及び独立行政法人等が重点的に調達を推進すべき環境物品等のうち紙類の判断の基準(以下「紙類調達基準」という。)を見直すに当たっては、古紙配合に係る技術的な課題及び現行の紙類調達基準を満たす製品の国内の需給実態等を総合的に勘案して、コピー用紙について先行して検討を行っているところである。
 また、現時点において、現行の紙類調達基準を満たすコピー用紙の国内供給可能量は、国及び独立行政法人等の調達量におおむね見合う水準であると認識している。

二について

 古紙利用への消費者の信頼を回復するためには、古紙偽装問題の実態把握や原因究明の結果に基づき紙製造業界が取りまとめた、古紙パルプ配合率の適正な表示の徹底や古紙パルプ等配合率を検証する取組を内容とする再発防止策の実施に、紙製造業各社が万全を期していくことが重要であると認識している。
 また、紙類調達基準の見直し案は、基本方針の見直しに向けた議論のために環境省が設置した特定調達品目検討会における紙製造業者、紙卸売業者、環境保護団体等の意見も踏まえつつ作成したものであり、紙類調達基準の見直しが古紙利用への消費者の信頼回復に悪影響を及ぼすとの御懸念は当たらないものと考える。また、同検討会においては、紙製造業界から引き続き古紙利用の推進を図っていくとの方針が示されている。

三について

 政府としては、森林の減少及び違法伐採問題等が地球規模で深刻化する中、こうした問題に可及的速やかに対応を図っていく必要があると考えており、これまでも、合法性及び持続可能性の証明された木材の利用推進を図ってきたところである。
 政府としては、森林経営の持続可能性や環境保全への配慮などについて第三者機関が評価・審査するという森林認証制度については、肯定的に評価している。個々の森林認証制度について、国際的に様々な意見があることは認識しているが、紙類調達基準における森林認証制度の取扱いについては、国際的な議論の進展を踏まえた上で、今後も引き続き検討を行ってまいりたい。

四について

 御指摘の「持続可能性を目指した原料」について、エコマーク制度を運営している財団法人日本環境協会において検討が続いていることは承知しているが、紙類調達基準の見直しに当たっては、同協会におけるこれまでの議論を踏まえて「持続可能性を目指した原料の調達方針に基づいて使用するパルプ」の定義案を作成し、現在意見募集の手続を行っているところである。また、パルプが当該定義に該当するかどうかの確認方法については、林野庁作成の「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」(平成十八年二月十五日)に示された方法に準拠するとする案を作成し、現在意見募集の手続を行っているところである。

五について

 御指摘の「技術的な問題」の意味するところが必ずしも明らかではないが、コピー用紙への間伐材の配合は、少量であれば可能であると承知している。紙類調達基準の見直しに当たっては、コピー用紙への間伐材の利用拡大が可能となるような案を作成し、現在意見募集の手続を行っているところである。
 また、コピー用紙以外の紙製品、製材、合板、集成材、単板積層材、フローリング等についても、国及び独立行政法人等において、可能な限り間伐材等の未利用材を用いた製品の調達の推進を図ってきており、今後もそれらの供給状況等を勘案しながら、未利用材の利用促進に努めてまいりたい。