質問主意書

第170回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一二〇号

内閣参質一七〇第一二〇号
  平成二十年十二月十二日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員谷岡郁子君提出「新規学校卒業者の採用に関する指針」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員谷岡郁子君提出「新規学校卒業者の採用に関する指針」に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の指針(以下「指針」という。)においては、事業主が採用内定取消しを行おうとする場合には公共職業安定所等へあらかじめ通知することなど関係法令にも同内容のことが規定されている事項や、就職活動の無秩序化の防止など関係者間の協議に基づく自主的な取組にゆだねるべき事項など様々な性格を有する事項について定めており、これらを一律に法令で定めることは適当ではないと考えている。

二について

 お尋ねについては、公共職業安定所において、事業主等に対し、パンフレットの配付等により指針の内容を広く周知するとともに、必要に応じて、指針に基づき、適正な募集・採用計画を立案することや採用内定の取消し防止に努めることなどについて、指導を行っているところである。

三について

 指針においては、採用内定の時点で労働契約が成立したと見られる場合には、採用内定取消しは労働契約の解除に相当し、解雇の場合と同様、合理的理由がない場合には取消しが無効とされることについて、事業主は十分に留意するものとする旨を規定しているところである。
 また、公共職業安定所においては、事業主に対し、できる限り採用内定取消しを行わないよう指導しているところであるが、それにもかかわらず、やむを得ない事情により採用内定取消しが行われた場合においては、当該採用内定取消しを行った事業主に対し、採用内定取消しの対象となった学生及び生徒の就職先の確保について最大限の努力を行うことなどについて、指導を行っているところである。

四について

 御指摘の「補償要求」については、例えば、就職活動支援のための費用や慰謝料の支払の要求といったものが想定される。また、公共職業安定所においては、採用内定取消しの対象となった学生及び生徒から相談があった場合に、必要に応じて、御指摘の指針の内容についての説明を行っているところである。

五について

 政府としては、採用内定取消し問題については、平成二十年十二月九日に取りまとめられた「新たな雇用対策について」に基づき、企業名の公表のほか、企業指導等の強化、採用内定を取り消された者への就職支援の強化等の措置を講ずることとしている。また、企業名の公表については、現在、具体的な内容の検討を行っているところである。